mixiユーザー(id:9160185)

日記一覧

枕元の書見台のモリッシー、得体の知れない詞に溺れてる、冷たさに心が疲れ果て、隣国のポップソング、インスタントコーヒー…電気毛布の熱…イメージの質は変化する、スタイルは同じでも―装飾物をいくら強調して見せたところで魂の程度はごまかせない、何を

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無頭症の胎児の寝息が内耳で呪詛になる日、罫線の中の鉛筆の芯は血のように赤く、「ねえ君、亡霊はきっと足音を立てないのが正解」と、置手紙の文面にあるのは、手を振るよりもずっと痛みに満ちたさよならの意思で、古い瓶の中いっぱいに詰め込まれた果実は甘

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もはや狂気が正気になっちまって、俺の日常はどす黒い憎悪と底無しの生への渇望の渦だ、時計の針が過ぎてゆく人生を切り刻む、零れ落ちた断面が冷たい床でべたりと嫌な音を立てたそばから腐敗臭を立て始め、毛羽立った感情を余計に逆撫でする、声無き咆哮が口

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折れ曲がり、赤茶色に錆びた釘…珊瑚のように歪で不吉なライン、頭の部分は半分潰れていて、半円―円弧の部分がボロボロのコンクリの上で揺り椅子のように埋もれていた…窓を失った枠からは雨粒が潜り込んでくる、確かに降ってはいるけれども、気にしないでい

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濡れた草のにおいがする薄暗い路地で過ぎる時を噛み砕くように佇んでいる女背骨の終わるところまで伸びた黒髪に表情は隠れてこれまでに一度だって見たことはなかったが捩れた棒状の飴みたいな身体を包んだ水色のワンピースからだらりと伸びる鉤状に折れた槍の

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無数の血膨れの夜
2019年11月14日22:05

頭蓋骨の中で絨毯爆撃は繰り返され、その衝撃で俺の脳漿は四方八方を跳ね回り、幾つもの白昼夢が同時に展開された、それは不思議なほど幸せな光景ばかりで…俺はきっと薬物中毒患者のように目を見開いていただろう、呼吸は不規則で―まるで両の肺がそれぞれの

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中学校のとき、同じクラスに凄い優等生がいた。勉強は出来るは英語はペラペラ、体育はどうだったかは知らない。屈託のない子で、誰とでも朗らかに接していた。ぼくはそのころにはもう、自分は一般的な幸せというやつは手に入れられないだろうとなんとなく感じ

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狼狽える詩人どもに
2019年11月05日21:16

激しい痙攣のあと、強制終了のように訪れる眠りの中で見る悪夢にも似た感覚を現実まで引き摺り出してしまう不得手な目覚めの数十秒、果たして俺はすでに死人なのか、と無意識に手首に触れている…微かに、致命的な嘘つきのようにそれは脈動している、でっちあ

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あとどれだけ生きられるのかなんてまるでわからない、人生の終わりは以前より確かに親しげな笑みを浮かべて、横断歩道のむこうでこちらを眺めている、風は少しずつ冷たさを増し、そのせいでなにかに急かされるような気分がますます酷くなる―ポエジーなんか欠

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