mixiユーザー(id:5540901)

2022年06月27日04:58

300 view

読書日記N o.1448(桑田佳祐の、胸さわぎのことばたち)

■スージー鈴木「桑田佳祐論」2022年6月新潮新書

梅雨はどうしちゃったんだろう、と思えるほどの高温熱波に、日本列島は被われて
いますが、マイミクの皆さまは、お変わりありませんか。

まだ6月で、梅雨明け宣言を聞いていませんが、土曜日から連日猛暑日が続き、まだ
今週末まで続くようなので、どうぞ、体調にお気をつけてください。

さて、先週は、この読書日記でも触れたいというニュースが、2つありました。
一つ目は桑田佳祐関連、二つ目は小田嶋隆関連で、後者は、今週末アップ予定の
次の読書日記で書きます。

それで、最初の桑田佳祐関連なのですが、6月21日のNHKの「クローズアップ現代」で
桑田佳祐が出演するというので、久しぶりに見て、心が動かされました。

桑田佳祐は、先の見えないコロナ禍や、ロシアによるウクライナ侵攻など、混乱を
極める今の世の中に向けて、音楽家として何か発信したいという思いから、同級生の
アーティストたちに呼びかけて、チャリティーの曲を録音して、その話題がメイン
でした。

呼びかけたアーティストたちが大物揃いで、佐野元春、世良公則、Char、野口五郎の
4名。桑田佳祐も含め、全員が66歳の同級生で、この5人が、本当に楽しそうに
教室や体育館を模した会場で歌う様子に、歌の内容や質もさることながら、感動
してしまいました。

NHKの桑子真帆アナが、桑田佳祐にインタビューしたのは、東京・渋谷の老舗のロック
酒場でしたが、桑田佳祐がボブ・ディランのメッセージソングの古典ともいうべき、
「風に吹かれて」の新訳の歌の披露をした際、即興で桑子アナに、後半部分を一緒に
ハモってと依頼して、その二人の歌声にも、心が動かされました。

そして、6月25日の朝日新聞朝刊には、見開き2ページで、桑田佳祐の全面広告が
掲載され、6月25日は、サザンオールスターズのデビュー44周年、かつソロ活動も
35周年とのことで、色々な仕掛けがスパークした週となりました。

書店では、6月17日で本書が新刊発売されいて、早速手に取り読了して、この読書日記
を書くところまで辿り着けたわけです。

大変遅れましたが、本書の惹句を紹介します。

“「胸さわぎの腰つき」の衝撃から44年。以来ずっと桑田佳祐は自由に曲を書き、
歌ってきた。日本語を巧みにビートに乗せ、「誘い涙の日が落ちる」といった
独創的な言葉を紡ぐ。“

“情感豊かな歌詞で日本人の心を鷲づかみしながら、エロくキワどい言葉を投げ、
愛と平和を正面から訴える。はたして桑田佳祐は何を歌ってきたのかー。サザンから
ソロまで1000に及ぶ楽曲のうち、26作の歌詞を徹底分析。その“ことば“に本質が
宿る!“

著者は、言います。

“桑田佳祐の根本にあるのは、「ロック音楽は、何を歌ってもいいんだ」という
強烈な確信である“

“社会問題を歌うのにオドオドして、あっけらかんと歌うことにも、シリアスに歌うこと
にも臆する多くの音楽家に対して、あっけらかんと、かつシリアスに歌う桑田佳祐。“

“さらには、ラブソング、エロソング、コミックソング、ナンセンスソング、そして
メッセージソング・・・広大な面積の歌詞世界を自由気ままに飛び回る桑田佳祐。“

“桑田佳祐の言葉は、戦後民主主義を謳歌し、堪能している。後継が続いていない
ことを知りつつ、いや、だからこそ臆せず、日本音楽シーン随一の広大な歌詞世界
を、さらに広げようとしている。“

いやぁ、本書にも感動しました。

著者は、1966年生まれ(桑田佳祐の10歳下)の音楽評論家で、昭和歌謡から最新
ヒット曲まで守備範囲は広く、サザンオールスターズについての著書も何冊もある
ようですが、本書は、タイトルもシンプルに「桑田佳祐論」としたことでもわかり
ますが、気合十分です。

まだ、刊行されたばかりのホヤホヤで、書評も出ていませんが、特に桑田佳祐ファン
には、必読書になると思われます。

24 16

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2022年06月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930