眠りを逃した真夜中に
おまえは声を上げ
竜巻のイマジンを
言葉に書きつける
街は浮ついている
アルコールに操られる連中
下痢便のようなアクセルのバイク
時折の救急車のサイレンとアナウンス
世界の狭間にいるようだとおまえは口にするんだ
もう幾度呟いたかしれないその言葉を
舞台役者の台詞のように
痴呆の老人が唯一覚えている会話のように
おれたちはある意味で
こんな真夜中にしか生きていないのかもしれない
眠りを失い
明かりの消えた天井を見つめているだけの真夜中に
人生が静止画で降り積もる
猫のように目を光らせる真夜中にしか
おそらくは記憶が正体の
姿のない侵入者、おいでよ
心ゆくまで語り合おうじゃないか
時間はたっぷりあるとは言えないが
眠くなるまでにはしばらくはかかるだろうさ
長いこと詩なんか書いていると
そんな夜になにかが
自分を突っついていることだけは確かに感じられるんだ
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