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2021年03月20日20:51

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詩『お猿の大将』

道は見えずとも先はある
病に侵されても問題無い
お猿の大将が叫ぶ

歩け!
歩け!
いざ歩け!

お猿は目を瞑り口を閉じ耳を塞ぐも
それでも熱は出る、咳が出る、倒れていく

仲間は消された
紙の上の数字表す
インクの染みとなり果てて

この先も、道筋も、行く末も読めないで
ただ読めと渡されたのは空気だけ
お猿の大将がまた叫ぶ

歩け!
歩け!
いざ歩け!と

お猿の行進は進んでいく
お顔に疲れと不安を浮かべても
お猿は見えない、聞こえない、喋らない

本当は見えるし、聞こえるけれど、誰も口を開かないで黙ってる

お猿の大将はお輿に乗せられて
意気揚々と叫ぶ

進め!
進め!
いざ進め!

だからどうしてもお猿達

いまだ森は抜けられず
いまだ森は抜けられず
当然、森は抜けられず

皆が輿を投げ出すまでは。



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