mixiユーザー(id:55664038)

日記一覧

意外な言葉に思わず眉をしかめる。 隣にいる妾候補はプイとそっぽを向いて何も言わない。 なんとはなしにその仕草に興を削がれ、また原因を作った正妻にも非難がましく言葉を紡ぐ。「繭月よ…そんなことを言ってしまったら興醒めしてしまうとは思わな

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「そうだよ…洗脳だ。まずどこかに監禁して徹底的に今まで培った価値観を否定して、空っぽになった頭に新しい価値観を植えつけるのさ、自分達の都合のいい価値観を…ね」「し、しかしそんな簡単に考えを変えさせられるのか?」「私の妻は2週間ですべて変わっ

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「いやーお前の家に来るのは久しぶりだな何年ぶりくらいか?」「ああ…そうかな?」 そんな会話をしながら私たちは彼の家に向かって歩いている。「そうだよ…たしかお前の奥さんと軽井沢にいったとき以来だから3,4年ぶりくらいだな。」「そうか…もうそん

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エロスは激怒していた。必ずやあのクソ係長に文句を言わなければならない。エロスとて労基法を完璧に遵守しなければとは思わない。だが下肢が完全に埋まる程の雪でも出勤を命ずるのは明らかにおかしいということはわかる。エロスは会社員である。 だが奴隷で

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「おい……これ、手順書通りにしても出来ないじゃないか?」 後輩、チラリと手順書を見て、鼻で笑いながら「当たり前です」「watts?(ワッツ?)」(裏声で)「急いで作ったから不備だらけなんて当たり前でしょ?そんなものを当てにしてるのが可笑しいんで

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「あっ俺、ドップリハンバーグのだからお前はアホなのだ!セットで」「……俺、ミートドリアのミルフィーユですぅ♪セットで」 注文を受けた店員が居なくなった後、一分間の沈黙後に奴は言った。「俺さ、宇宙人にさらわれた気がするんだよね」 ……うわっ、

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小節『昔の思い出 』
2014年03月13日23:32

副題「クソッタレな『あいつ』に中指を立てろ!」人生最初の思い出は土の中だった。 粘土質な黒土が頭の上からかけられ、俺を埋めていく。「や、やめて……」 わずか三歳だって死の恐怖は知っている。 深い穴に落とされ、身体が半分埋まるほどに土をかけら

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小節『一人が好きだ』
2014年03月13日23:27

一人が好きだ。なんというか好きだ。誰にも気兼ねなく部屋の中心でひとり天井を見上げるくらい一人が好きなんだ。くだらない仕事を終え、部屋でひとり息をつく。 そして『死までの時間』を『一日』無駄にして溜め込んだため息をする。それでも私は一人が好き

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