ふと目を覚ませば夜明けにはまだ早く、けれど深夜というにはもう浅い。そんな時間だった。カーテンを閉め忘れていた東の窓からはうっすらと青紫色の『明日』が来訪を告げている。それは水中から見上げた月のように曖昧で風と波間に揺らされて朧げに揺れてユラ
続きを読む
煙が立ち昇る。 それを見上げる。気分は上々? そうでもないさ、けれど決して悪くはないんだ。銀色の吸入機。 大地の色に染まったテルペン。ガラス越しに透かして空を覗く。夕陽はより綺麗に輝いて。吸入機に口をつける。パフ、パフ、パフと三回呼吸する。
続きを読む