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日記一覧
- 詩『そしてみんな死んでいく』
- 2021年08月23日11:55
枯れ木数本の更地に足りない足りないと天が命じ無理くり運ばれる子木達枯れ木も山の賑わいと強がって囃しに囃し立て林に変えても果ては枯れ果てるそれでも動員される痛ましさ見ない大人達が騒ぎたてて無駄に消えていくそしてみんな死んでいったそしてみんな死
- 小説『塚原先輩は雨の日に』エピローグ
- 2021年08月11日15:44
結論から言えば、先輩は助かった。 かなりの出血で一時は危なかったらしいが何とか一命は取り留めたそうだ。 守口先輩はその後逮捕された。 菅居はそれでも先輩のことを諦めないで時折は拘置所まで面会に行っているそうだ。 大学も辞めたが、ときおりメ
- 小説『塚原先輩は雨の日に』��
- 2021年08月11日15:44
「…よお、久しぶり」「…おお、久しぶり」 大学の入り口で出会った静雄にぎこちない挨拶をすれば、彼もまたぎこちなく返してくる。「…………」「…………」 そのまま互いに無言で、とはいえ一緒に試験のある教室に入る。 同時に菅居と目があった。 少
- 小説『塚原先輩は雨の日に』��
- 2021年08月11日15:43
その後にまた守口先輩達のところへと戻る勇気なんて僕にはなかった。 またそうすることも出来ない状況でもある。 菅居にメールを送ってはみたけれど、まだ返ってこない。 仮に返信が来たとしてもなんて言えばいいのか？ 菅居はおそらくは必死でフォロ
- 小説『塚原先輩は雨の日に』��
- 2021年08月11日15:42
昼過ぎ。 学食の一角で僕は先輩を待っていた。 菅居にはすでに話をしていて、守口先輩は菅居が連れてくるという手はずになっている。 果たして本当に先輩はやってくるんだろうか？ その心配とこの後のことで胃はキリキリと痛む。 なので僕は何も注文
- 小説『塚原先輩は雨の日に』��
- 2021年08月11日15:41
「それにしてもどうしたらいいんだろうな〜」 バイト帰りの道すがら、自然にポツリと呟いてしまった。 菅居に宣言したとはいえ、どうやって先輩を説得するかは思いつけずにいた。 とはいえ自ら言った以上はそうしなければならない。 果たして先輩はそう
- 小説『塚原先輩は雨の日に』��
- 2021年08月11日15:41
朝に起きてみれば先輩は居なかった。 夢だったのだろうかと一瞬だけ考えたけれど、テーブルの上には空になった酒の缶が置いてあって、先輩にかけてあげた布団はいまは僕にかけられていた。 ああやっぱり夢じゃなかったんだな〜。 暢気にそんなことを考え
- 小説『塚原先輩は雨の日に』��
- 2021年08月11日15:39
「こんばんわ〜、来ちゃった！」 守口先輩と出会った日の夜。 先輩はいつかのときのようにやってきた。 あの時と同じく酒を買い込んで。 外は雨が降っていたようだ。 通路にある先輩の肩口が濡れている。 室内に居たとはいえ気づかなかったことを見る
- 小説『塚原先輩は雨の日に』��
- 2021年08月11日15:38
次の日になって大学に行ってもあのモヤモヤとしたそれは心の中にへばりついていて、気持ちを沈みこませている。 後期試験も近くなってきたので重い足取りを引きずりつつレポート執筆と試験勉強を兼ねて大学の図書室で黙々とノートを書いていく。 そのとき
- 小説『塚原先輩は雨の日に』��
- 2021年08月11日15:38
たしか安雄の住むアパートは混み入った住宅街の奥にあったはずだ。 前に数回遊びに行ったことがあるだけなので、おぼろげな記憶を頼りに歩き続ける。 すでにメールで連絡はしており、見舞いの品として果物を買っていた。 友人の家に行くだけだというのに
- 小説『塚原先輩は雨の日に』��
- 2021年08月11日15:37
曇り空の午前。 いまにも雨が降り出しそうな天気の中、大学内を僕は一人で歩いている。 季節はもう夏だ。 あと一ヶ月もすれば夏休みにも入る。 そんな時期だから、曇りで気温が低めとはいえ湿度は高く、今朝方に自室を出る際につけていたテレビからは
- 小説『塚原先輩は雨の日に』��
- 2021年08月11日15:36
「はあー？塚原先輩が来た？」「しー！声がでかいんだよ」 講義と講義の合間、０９０教室に安雄の素っ頓狂な声があがる。「…んで、何しに来たんだよ…まさか…」「ヤッてないから！ってか酒だけ飲んですぐ帰っていったよ」 とんでもない誤解に図らずもこち
- 小説『塚原先輩は雨の日に』��
- 2021年08月11日15:35
人の噂も七十五日という諺があるが、それの半分くらい、一ヶ月も立った頃には僕を見てヒソヒソ何事かを言う人間もいなくなった。 実際に予測したとおりに僕の日常は平穏に戻っていた。 先輩の姿はあれから二度か三度くらい学内で見かけたくらいで、
- 小説『塚原先輩は雨の日に』��
- 2021年08月11日15:34
「…あたま、いてぇー…」 昨日はあの後、安雄とひたすら飲んだくれていた。 どれほど飲んだのかすら覚えていない。 ひどい二日酔いと頭痛で目が覚めたときには部屋の中はアルコール臭で満たされていて、それだけでさらに酔ってしまいそうだった 安雄は僕
- 小説『塚原先輩は雨の日に』��
- 2021年08月11日15:34
次の日、空は昨日までの鬱憤を晴らすように晴れ渡っていた。「よお、昨日はどうした？また二日酔いにでもなったのか？お前もだいぶ大学生らしくなったよな」 午前の講義であった安雄は昨日、僕が大学に来なかったことを二日酔いで寝込んでいたと思っているよ
- 小説『塚原先輩は雨の日に』��
- 2021年08月11日15:32
翌日、激しい頭痛で目が覚めた。「痛え〜っ、もう朝か」 時計を確認するとベッドから起き上がって台所に進む。 水をコップに注ぎ、一息に飲んだ。 あれからどうしたんだっけ？ 分解しきれないアルコールの作用と頭痛によって足がふらつく。 そのま
- 小説『塚原先輩は雨の日に』 ��
- 2021年08月11日15:31
塚原沙優子先輩は僕こと上原忠雄の通っている大学では有名人だった。 有名とは言うが決して良い意味ではない。 むしろ女性としては不名誉というかむしろ悪名を轟かすが近い表現で、僕が入学してから一ヶ月でその存在を知った。「おい、あれだろ塚原先輩
- 小説『塚原先輩は雨の日に』プロローグ
- 2021年08月11日15:30
目が覚めると締めたカーテン、窓の向こうでは雨の音がする。 部屋の中では人間の身体から出た様々な水分と空気が混じり、隔たれた壁と外とは少し違う湿度で満たされてた。 クシャクシャなシーツの上で気だるい身体に汗をまといながら、起き上がる。 テ
