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2020年12月18日10:46

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「ニューヨーク 親切なロシア料理店」

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2人の息子を連れ、DV夫から無一文で逃げ出したクララ。
車でマンハッタンの街をさまようが、違法駐車でその車も取り上げられる。
ホームレスとなり、生演奏のバンドの音に引き寄せられて忍び込んだのは、老舗のロシア料理店だった。

この物語に登場するのは、何処かで人生をしくじった人ばかりです。
不器用で短気、どんな仕事についてもすぐ首になる若者。
麻薬所持で刑務所帰り、弟の命も麻薬で失ってしまったレストランのマネージャー。
悪人を弁護しなければならないことで自己嫌悪になっている弁護士。
救急救命病棟で働き、更にボランティアに身を捧げるが、心に傷を持つ看護師。
そんな人たちが大都会の片隅でどうやって交わり、いかに関わり合っていくか。

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ホームレスとなったクララは、無銭飲食、万引きを繰り返し、観ていて腹も立ちます。
2人の息子を持ちながら、もっと計画的に動けと言いたくもなります。
が、父親に虐待されてあの怯え切った息子たちを見ると、仕方がなかったかもと。
DV夫が警官であるがために、足がつくことを恐れてカードを使うこともできないし。
あの巨大な街マンハッタンが、金持ちには優しく貧乏人には冷たい街であることも事実です。

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そんな屈折した人々が、不器用につながっていく様に、観ていて心がほっこりします。
それぞれの人物の掘り下げ方が薄くて、やや物足りない感もありますが。
仕事にヤル気がない、しかし温かいジェントルマンであるレストランの経営者をビル・ナイが好演して、全体を引き締めています。
監督・脚本は、私が好きな「17歳の肖像」の女性監督、ロネ・シェルフィグ。
原題は「The Kindness of Strangers」、「見知らぬ他人の親切」のような意味でしょうか。
折角ムードのある老舗のロシア・レストランなのだから、できたらもうちょっと、美味しそうなロシア料理を出して欲しかった…

公式HP http://www.cetera.co.jp/NY/

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