いつもだいたい、腹筋をのべで百回くらいしてから模造刀を振るのだけれど、ふと、竹刀を振るのとはまるで違うんだな、と思い、「切る」ために刀を振るということはどういうことなのか、と考えながら握りを変えたり、振り下ろす速度を変えたりとあれこれ試しながら振った。右手は添えるだけ、が、剣道の鉄則だけれど、まず重さが違うからそういうわけにはいかない。両手でしっかりと握って、振り下ろすときに刃がブレないようにまっすぐ振り下ろすことが重要。ある程度刀の重さにまかせて、腕を鞭のように使う。そうして続けているといつのまにか、ヒュン、と空気が鳴り始めた。もちろん誰かに習ったわけではないから、それが正しいのかどうか分からないけれど、たぶんこれでいいのだと思う。あしたのジョーだって正しいジャブを覚えた瞬間に風を切る音が聞こえたではないか。明日からの素振りはさらに楽しいものとなるだろう。刀が風を切る音、ちょっと気持ちいいぜ。
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