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2020年06月29日22:34

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物心ついた時、短歌は既に目の前にあった。

百人一首、我が家ではまさにカルタ遊び。
犬も歩けば』よりも絶対王道百人一首。

コタツの板を返すとカルタ台に早変わり

我が家の読手は常に我が父。
そして優勝候補の姉、伏兵昭ちゃん、そして無理!弟の四人がカルタ台につく。

父は読みながら、誰も取らないと、途中でも取りにくる。
「ずるーい!」
の声もなんのその。
「なんば言よっとか、早よ取らんけんたい(笑)」

我が家の和歌を読むメロディーは独特である。

父が子供の時の先生が読んでいたメロディーらしい。巷によくある棒読みではない。

音階はおよそ四つで下に表してみたいと思う。子守唄のような物(日本音階)と思えばイメージしやすいドミファラだけで歌う

【例】
陸奥(みちのく)のしのぶもぢずり誰(たれ)ゆゑに 乱れそめにしわれならなくに

【上の句】
ラ)・・・・・・/・のぶもぢ・・・・・・・・/
フ)・・・・・・/し・・・・・・たれ・・・・/
ミ)・ちのくのー/・・・・・ずり・・ゆゑ・・/
ド)み・・・・・/・・・・・・・・・・・にー/

【下の句】
ラ)・・・・・・・・・・・・・・・/
フ)・・・・・・・われ・・・・・・/
ミ)・・・そめにし・・ならなくにー/
ド)みだれ・・・・・・・・・・・・/

小さい頃、私と弟は下の句が読まれないことには探せない取れない。

しかし姉は上の歌「みだれそめにし」と「からくれなゐに」の音が好きなので、
「みちのくの〜」
で《パーン!》と一枚必ずゲット続いて
「ちはやぶる〜」
で《パーン!》
姉はこの飛び出しで不戦勝のような物である。

しかし、それを知った兄弟は激戦の「みちのく」「ちはやぶる」破りを目論み戦国時代へと突入して行くのだ。


さて、今日読んだいにしえ和歌風短歌(大真面目)

【股引(ももひ)きや古く置場に困れどもなほ余り有り放(ほか)すほかなし】

子供の頃は意味が分かるはずもなく 元歌をこのような感じに受け取っていたのだ。
【解釈】
《父ちゃんの股引きが古くて穴が開いているものばかり置き場に困るほどたくさん余っている、もう捨てるほかはないのではないかなあ。》

カルタ遊びを楽しんでいた頃はこの程度であった。

〈元歌〉
百敷(ももしき)や古き軒端(のきば)のしのぶにもなほあまりある昔なりけり/順徳院
(小倉百人一首の百首目)
元歌の意味に関してはネットでお調べください。

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