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2019年10月29日06:36

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経験の唄

今回の台風１９号の被害が大きかった長野、福島、宮城・・・
それぞれ僕にとっては思い入れの深い場所だ。
そんなわけでなんか出来ることはないか？と考えていて、とりあえず義援金とボランティアと買い支えの３本柱を考えた。
義援金、ボランティアっていうのは自分の生活の限られた金、時間の中で行うしかない。

とりあえず、宮城県南の丸森町にボランティア登録した。

勿論、県北の鹿島台でも大郷町でもよかったのだけど・・・
何しろ普段の仕事も繁忙期であるし、時間も限られている。
ボランティアのホームページを見たら・・・長靴、手袋、ゴーグル必須とあって・・・早速近所のワークマンに行って買いそろえてきた

宮城県も福島県も震災を「経験」しているので、そういう災害救助ボランティアのスキームがしっかりとしている。
そう「経験」の話だ

経験というものは知恵を生む。

ここからはちょっとパーソナルな自分の経験の話だ。
震災の後、僕は何が何だかわからないまま泥掻きだの物資の支援だのに奔走していた。

その経験で学んだことは様々ある。
例えばウォンツ、ニーズとサプライのマッチングであるとか・・・時間経過とともに変わる状況の変化であるとか・・・伝えたい事と伝わる事のアンマッチであるとか・・・
よくあの当時、本当に知りたい事を伝えない「マスゴミ」なんて揶揄されていたマスコミであるが、様々なしがらみや風評被害への危惧であったりとか非常に彼等も悩んでいたりだとか・・・

中でも強烈に思い知ったのは自衛隊の方々の素晴らしさである。
迷彩のジープで乗り付けて迷彩服に身を包み淡々と災害救助にあたってくれた。
それもちゃんと僕らのような素人ボランティアにも働き易いように配慮していただき、非常に気を使っていただいた。
言い方はよくないかもしれないが、我々がせっかく来たのに何もすることがなかった・・・と思わないようにうまく気をまわしていただいたようにも思う。
慣れないボランティアの方々を陰ながらサポートして、それぞれの役に立っている感を満たしてくれている。
これは音楽をやってる人はよくわかると思うけど、上手い方と一緒にやると自分も上手いと勘違いしてしまう・・・

なんていうんだろう・・・そのステレス性というのだろうか・・・目立たないプロの技とでもいおうか・・・音楽でいうとザ・バンドだ。
演奏がうまいというよりは伴奏がうまい♪

それから僕は僕のすべきことはもっと他にあるんだろうなあと考えるようになった。

僕は仮設を回って傾聴やらあれこれと自分に出来ることをとりあえず試してみた。
アートセラピーと称してワークショップなんかもやった。

そのうち記録を残そうと思い立ちそれは今のスナップ写真に繋がったりしているんだけど・・・
そんな中、ずっと変わらず継続しているのが買い支えである

宮城県南の丸森町・・・

丸森町は古い商家、さいり屋敷なんかがあったりするんだが、ここは震災以降線量が高くて風評被害に悩まされていた。

丸森町に筆甫地区というのがあって今回の土砂災害で壊滅的な被害を受けた。

僕はここの特産物のへそ大根を春に水で戻して食べるのが楽しみだった。

義援金っていうのもものすごく役に立つとは思う。
だけど義援金っていうのはともすると心の免罪符になってしまう。
「これだけ金を出したからいいだろう」或いは「なんでちゃんと金だしたのにみんな働かないのか？」「なんでこんなに復興が遅れるんだ？」ってなってしまう・・・
ちゃんと働いている！！みんな一生懸命汗水たらし涙を流しながら・・・

これは僕が被災地を見てきた経験知である。

買い支えっていうのは継続的な地域との絆である。

経験は知恵を生む。