信ずるということ

面白い動画があった
最高のオチのついた動画だw
何か飲みながら見てると　派手に吹き出すことになるので要注意w

ぜひ　本文を読む前に動画を見て欲しい
そしてどの時点まで自分がこの動画に共感することができるか試して欲しい
それは多分自分自身がどんなものを信じてしまうかといった事柄に対して
自分自身への批判的視点となるからだ

この動画は　おれの予測では動画内でも紹介されている多田富雄先生の「生命の意味論」を念頭に構成されている
生物進化に「スーパーシステム」と言う概念を持ち込んだ彼の生命進化論は
リン・マーギュリス先生なんかのエピジェネティクスやガイア理論などとも共通していて
ただ単に機械的な遺伝子のシステムだけでは解明できない部分に光を当てたものだ
当然ながら　彼らの理論は「神」などと言う概念となんの関わりもないw
逆にそこを勘違いするなよと再三警告を行っているw

諸兄は　どこまで納得してこの動画を見ただろうか？
進化生物学に全く興味がない人であれば
ID理論くらいまではなるほどと見たかもしれない
信仰にあつい人であれば「神」を言い出したあたりまで納得していたかもしれない
「まあ　科学では証明することはできないがそういう結論があってもいい」くらいな感じで

もし仮に　動画の配信元が明らかにされることがなければ
そしてアメリカのキリスト教のいうID理論に情報がなければ
最新の生物学理論が　神の存在証明を行おうとしていると見てしまうかもしれない
さらに言うなら
配信元の情報をある程度持っている人は
最後の最後になってそこで全てを否定することができたと言う人もいるかもしれない
言ってみれば　内容の正誤は問わず　レッテルによって判断しただけかもしれない

ドーキンスあたりまでは
知的好奇心が旺盛な人であれば　内容の精査をする立場になくても
そのおよその概略はつかんでいる人も多いだろう
しかし今西錦司はある程度の年齢の人なら知っている人も多いかもしれないが
マーギュリスや多田富雄を読んだなんて人は　おそらく一般人であれば千人に一人なんて数字になるのかもしれない相当なもの好きだw

じゃあ　何をしてこの動画を否定することができるのか？

「コンスタンティヌスと言う男」と言うポール・ヴェーヌと言う先生の本がある
新しい世代のアナール学派の先生で
フーコーのお友達だ
そういう意味ではなく　フツーのお友達だw　多分

「イデオロギーはイデオロギーに先行するものによって受容されてイデオロギーとなる」
みたいなことを言っている
こういった見方に沿って言えば
この動画はもうすでにゴールが用意されているような人間にのみ正しい結論を示すイデオロギーであって
それ以外の人にとっては科学である
ではこの場合の「科学」とはなんだろう？
人はその科学を実質的には知らないのだ
少なくとも　大腸菌の実験を自ら追試して確認することなどできはしないのだ
ヴェーバーのプロ倫をその膨大な参考文献を精査して真偽を確認するなんてことはできないのだ
ただなんとなく学問の権威を信じるしかないのだ
もっと言えば　周囲を横目で見て知らないもの同士で頷きあうのが我々の科学の受容のあり方だ
フーコー的にヴェーヌ的に言えばそうなるだろう

実際には我々はこの動画になかなか騙されないw
端的に言えばその理由は
どっちでもいいからだw
だったら特殊な組織に入ってまでそれを深く信じる必要はない
判断する必要がないからだ
そんなものにさく脳のリソースはないのである
要するにめんどくさいから信じないw

宗教勧誘に騙されない人が
投資詐欺にころっとやられるのはそこに原因がある
金が儲かったり
生きるにくい状況があって必要性に迫られれば
我々は脳のシステムとして生き残りを選択するのだ
それがどんな馬鹿馬鹿しいものであっても

そう考えて改めて動画を見れば
どんなイメージがそこに浮かぶだろうか
ぜひやっていただきたいw

面白いよw