今日は江東区住吉にコンサートを聴きに行った。オーケストラ・ウィルというアマチュア・オーケストラで、茨城県南部を拠点に活動していたが、ここのところ東京進出を果たし、都内各地のホールで定期演奏会を行っている。会場は毎回変わる。この演奏会に行くことにしたのは、団員からチケットをもらったからであるが、なんだかんだと毎回行っている。
稲田堤のあたりは霧雨混じりの天気で、今日は涼しいなと思っていたが、京王線に乗って直通する地下鉄新宿線の住吉駅をおりたら、カンカン照りの真夏で、やはり非常に暑い! ちょっとでも涼しい気分をと、猿江恩賜公園の中を歩いていく。木陰は意外と涼しい。
(猿江恩賜公園にて)
さて、今日のプログラムは次のとおりである。
・チャイコフスキー: 交響曲第1番「冬の日の幻想」
・ドヴォルザーク: 交響曲第9番「新世界より」
指揮: 佐々木雄一
会場:ティアラこうとう大ホール (14:00 開演)
チャイコフスキーとドヴォルザークの交響曲である。秘曲・珍曲の演奏会もいいが、こういうプログラムの演奏会も、もちろんよい。チャイコフスキーは、「悲愴」ではなく「冬の日の幻想」にしたのがまた良い選曲だ。猛暑の最中に「冬の日の幻想」というのも、なかなかよいではないか。
「冬の日の幻想」は、第1楽章から第3楽章まで、そこそこきちんとまとまった演奏であった。管楽器は、ちょっと危なっかしい箇所が少しあったが、そこは許容範囲である。本領発揮(?)は第4楽章であった。指揮者の佐々木さんの特徴なのか、このオーケストラの特徴なのか、爆音系オーケストラのようで、第4楽章の冒頭をゆったりと静かに奏でたと思ったら、途中からは一気に爆発した。こんな「冬の日の幻想」もちょっと面白いかもしれない。寒々とした「冬の日」を吹き飛ばすような(?)第4楽章であった。
第4楽章での爆発は、次の「新世界より」でも発揮した。「新世界より」はこれまでに数限りなく聴いていて、それだけの名曲ということなのだが、何度聴いても飽きない曲ではある。生の演奏会でも、何かしら楽しませてくれるのだ。第2楽章の有名な旋律は、郷愁感たっぷりのコールアングレではなく、ちょっと冷めたような感じだったかな。第4楽章の爆発は前述のとおりだが、唯一のシンバルの箇所は、派手にバーンと鳴らすかと思いきや、こするようにして小さく響かせた。これは意外だった。指揮者もややオーバーアクション気味なところがあるが、オーケストラもそれにつられて、大音響を響かせるのである。ある意味面白い「新世界より」であった。
アンコール演奏があるらしい。ドヴォルザークの「チェコ組曲」から第2曲「ポルカ」である。これは素敵な曲である。演奏もきれいに決まった。さらにもう1曲アンコールがあるらしい。今度はもちろんチャイコフスキーだ。「くるみ割り人形」より「パ・ド・ドゥ」のコーダだ。こちらも良かった。
会場の外に出ると、まだまだ暑かったが、今日は演奏も暑かった、いや熱かった。
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