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2019年07月14日07:17

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詩『椅子の観察者』

 椅子から降り立ち、固い床にどっと腰を据えて座り込め。

 ほら見える世界が僅かに違うだろ?

 ほんの数センチから数十センチで世界は変わっていく。

 それが僅かでも、見える世界が変わるんだ。

 大事なのはどこに行くかじゃない どこに居るかなんだ。

 たとえ灼熱の太陽が憤怒のようにお前を焼こうとも

 非難の雨がお前に降り注いで震えてても

 宇宙のように空っぽに思えても

 世界は入れ物でしかなく、お前は観測者でしかない。

 だから当て所も無く彷徨わず、自分の見るべきところを自ら考えていかなければならない。

 それが孤独でも、それが煩わしい雑踏の中でも、いまこのときを定義できるのはただ一人の観察者。

 それがお前だ。 この世界に居るお前だけなのだ。

 怠惰に縛られ、退屈に説得されてもお前は自由にその場所を変えられることを忘れないで。

 必要なのは決意と僅かな想い。

 さあ椅子から立ち上がり、階段から降りて、外へと歩きだそう。

 いまだ見ぬ場所を求める観測者として。

 自らの思いと存在がどこにあるかを噛み締めながら

 観測者として。 観測者として。 ただ観測者として。

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