mixiユーザー(id:1940449)

2019年02月06日11:42

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認知から見た農業の始まり 3.ポイント オブ ノー リターン

農耕は人間にとって一度足を踏み入れたら引き返せないポイントだっただろうという

前項の牧畜の始まりと同じく 
農耕は社会的知能と博物的知能の勘違い的融合だった
人間が他人を支配するための社会的知能を
人以外の存在である植物に当てはめて考えてしまった結果が農耕だ
社会的知能としての他者を支配する・他者を自分に有利な状態として管理する知識を
植物に対して行う「勘違い的思考」の結果であって
違う言い方をすれば
突拍子もない事象をつなぎ合わせて作る神話的な意識と似たようなものだと言えるだろう

農耕の開始は人類史でもっとも重要なトピックであると言われることが多い
農耕を始めることができたおかげで
人類は人口を増やし 共同体は加速的に大きくなり
そして文化は深まり政治がシステムとして発達して
宗教が整備され
人々は格段に豊かな文明を持つことができた
そして現在の我々がある
みたいな感じだ

「心の先史時代」でミズン先生は そんなことはないという
だから 人類が農耕を始めた経緯についてはほんのちょっぴりエピローグとして付け加えているだけに過ぎない
先生 あんまりその辺りはやる気がないみたいなので
補足しながら書くことにするw

農耕なんかエピローグの付け足しでいいんだというのはミズン先生自身の言葉で
先生は農耕を人類史的には非常に矛盾する行為としてみなしている
その辺りは最近の文化人類学の世界ではよく言われていることで
何故に農耕など始めてしまったのかというのは重大な研究テーマになっている

ミズン先生はこれを 結論から言えば
農耕が始まるはるか以前から農耕に必要とされる知恵は人類に蓄積されていたという
そして 農耕の始まりと同時に出現したと言われるような
身分格差や指導者の発生
あるいは宗教的な組織や記念碑的なものも人類の中にすでに発生していたのだという
これも最近の文化人類学ではよく指摘されている
我々が常識的に学校で習ったようなん横行に伴う社会的変化は
農耕以前からすでに存在していたということだ

もっと言えば
はるか以前から心の聖堂の周辺の小部屋に備わっていただろうとしている
それらが 各部屋の窓ができたのと同時に
地球の気候が大幅に温暖化し安定したので農耕が可能になったのだ

そもそも社会的知能は他者を自分の生存に有利に導くための情報であり
支配することを あるいは 力のあるものに支配されることを目的としている
その 同じ社会的知能を使う農耕社会は
農耕以前から 人間の人間による支配を内在していて
それこそが ポイント オブ ノー リターンを作り出す原理となっている

なぜ引き返せないのか?
端的に言えば 社会が出来上がってしまうからだ
指導者が現れ そこに富が集中し権力が生まれ
共同体としての集団意識が宗教を生み出す
それらは結局
人間社会の不可逆的な変化を生み出してしまい
権力によって集中してしまう暴力を絶えず再生産し続けるという流れを現代社会に至るまで延々と繰り返す理由となってしまった

人が他者に対して 食料を分け与え
そしてある時は威嚇し ある時は懐柔し
群れの中でより有利な位置を確保するために培われた社会的知識は
植物に肥料を与え 雑草を抜き 水を与える行為と表面的には似ている
しかし 植物は別に服従するわけでも人間を懐柔しようともしていない
が 人間は他者に対して持ちうべき能力を植物に対しても応用することが可能であると思い違いをするところから農耕は始まった
その仮説は様々な点から我々が抱いている進歩主義的な農耕の始まり論を否定する
それと同時に
今現在の我々が信じて疑わない大きな前提を揺るがすものである

人間はなんかこー 大きなボタンの掛け違いを引きずっているのではあるまいか?
いずれにせよ 引き返せはしないのだけれどもw
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