今日は、NHK交響楽団の演奏会に行った。チケット発売直後に完売になるほどの演奏会であるが、これは聴き逃せない演奏会なので、もちろんチケットは早々に確保済みである。
・ベートーヴェン: 交響曲第6番「田園」
・ステーンハンマル: 交響曲第2番
指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
会場:サントリーホール (19:00 開演)
ブロムシュテットの振るステーンハンマル! これを聴かずにいられようか。今日は平日だが、仕事で疲れた状態で駆け込むのもいやなので、休暇を取得した。したがって、ゆっくりと会場に向かうことが出来る。昨日も同様のプログラムであったが、木曜日の方がチケットを入手しやすかったのと、この日は会議その他予定がなく休暇を取りやすかったので、2日目の公演に行くことにしたのである。
プログラムはベートーヴェンの「田園」から始まる。演奏は、要所をしっかりと抑えたきっちりとしたもので、特別なことをした訳でもないが、やはり素敵な演奏だったと思う。自分の席は1階の2列目とかなり前の方で、第二ヴァイオリンの真ん前なので、そのせいか新鮮な響きに感じた箇所もある。ブロムシュテットは、「第二ヴァイオリンは第一ヴァイオリンの補助ではなく、ヴァイオリンの2つのパートが対話するものだ」と語っているが、聴き慣れた曲でも、そんなことに気付かせてくれる席の位置だったかもしれない。やはり「田園」は名曲だなあと再認識した次第である。
休憩のあとはお待ちかねのステーンハンマルだ。第2番はアマチュア・オーケストラでは聴いたことがあり、それも立派な演奏だったが、プロのオーケストラが演奏したことは極めて少ないようだ。
演奏は期待に違わず、素晴らしいとしかいいようがない。冒頭から引き込まれてしまい、そのまま最後までじっくりと堪能することができた。特に弦の響きが良かったと思う。CDで何度も聴いていて耳に馴染んでいると思っていた部分も、このように生で聴くと、そこはそのように弾いていたのかといった発見もあり、改めて良さを再認識する。細部まで手の届いた演奏で、この曲の魅力を最大限に引き出しており、さすがという名演であった。
今日は知合いにも多くお会いしたが、今日は遠くからでも聴きに行く価値のある演奏会だったと思う。ステーンハンマルの作品自体がまだ演奏機会が多いとは言えない貴重なものだが、それをブロムシュテットの指揮で聴けたというのは大きな喜びである。
現在、最近日本語訳が出版されたブロムシュテットの自伝を読んでいる。(演奏会までに読了ならず。) この本を読んでも、ブロムシュテットの音楽に対する真摯な取り組み、そして人間的にも紳士であることが分かる。今日の演奏もまさに紳士の真摯な演奏であったと思う。9年後に100歳記念演奏会で指揮台に立ってくれることも期待しつつ...
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