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2018年01月21日20:56

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【音楽】 ラスベート交響楽団演奏会 〜田園交響曲

今日は、やや暖かい日だった。午後は船堀に、ラスベート交響楽団の定期演奏会を聴きにいった。少し前にこのオーケストラの存在を知ってから、毎回行くようになっている。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・ワーグナー: 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
 ・ベートーヴェン: 交響曲第6番「田園」
 ・グラズノフ: 交響曲第7番「田園」

  指揮: 小久保大輔
  会場: タワーホール船堀 (14:00 開演)

ラスベート交響楽団は東京都東部を拠点にしているアマチュア・オーケストラで、グラズノフの作品に思い入れがあり、本日の演奏会をもって、グラズノフの完成した交響曲8曲の演奏が完了するという。グラズノフの交響曲を全て演奏したことがある日本のオーケストラは、プロ、アマとも他にないらしい。今日のメイン・プログラムはそのグラズノフの第7番「田園」であり、ベートーヴェンの「田園」と聴き比べをしようというプログラムである。

その前に、最初は「マイスタージンガー」の前奏曲で幕を開ける。楽劇全体を通して聴くことはほとんどないが、第1幕への前奏曲だけはよく聴くというもので、新年早々の(もう21日だが)演奏会に相応しい。前にこのオーケストラのことを、「ガンガン突っ走る演奏や、派手なパフォーマンスはせず、いくぶん抑え目にしながら、要所をきっちりと表現して、全体のバランスを最適に持っていくような演奏をする印象を持った」と書いたが、1曲目の「マイスタージンガー」からそのような感じで好ましい。ただし、今回の演奏は最後の方にバンダでテナードラムとトランペット2本を追加して第3幕の終結部同様にしたとのことで、ちょっと珍しい演奏が聴けた。

続いては、ベートーヴェンの「田園」だ。これは超有名曲なだけに、演奏する方は却って難しいのではないかと思うが、指揮者のテンポも絶妙で、なかなかいい感じである。全体としては悪くない演奏であったが、クラリネット、フルート、ホルンが、時々裏返ったりするのが、少し残念だった。第2楽章の最後の方の鳥の鳴き声の描写は、聴いている方が緊張するが、ここは無難に乗り切ったと思う。演奏終了後に、クラリネット、フルート、ホルンのトップ奏者だけを立たせたのは、なんだか「反省会」みたいに見えてしまう。オーボエも立たせたかな。オーボエは良かったと思う。全体としては演奏は良かったのだ。それだけに、管楽器が少し気になってしまった。

休憩のあとは、グラズノフの「田園」だ。第7番作品77。7が並ぶ縁起のいい番号だ。同じ「田園」交響曲といっても、ベートーヴェンとは雰囲気が違い、それを聴き比べ出来るのがよい。さすがグラズノフをメインのレパートリーとするオーケストラであり、グラズノフはきっちりと素晴らしい演奏をしてくれた。改めて聴くと、第1楽章はベートーヴェンの「田園」に通じるような雰囲気も持っているが、そこはロシアである。金管の重厚なコラールで始まる第2楽章は広大なロシアの草原を思い浮かべるような感じだし、最後の第4楽章は、「田園」というよりは「大地」というような曲で、地の底から響くようである。やはり良い曲だなと思う。グラズノフの「田園」では、目立つような外しはなく(小さな瑕疵はなかったとは言わないが)、良い心持ちで聴けた。

グラズノフの交響曲は、1回聴いただけでは良さが分かりにくいが、何度も聴くうちに、じわじわと味わいが出てくるものである。(と書こうとしたら、プログラムにも同じ主旨のことが書いてあった。) 演奏会で生で聴くと、その効果も大きいようである。

最後にアンコール演奏をするようだ。今日のプログラムからは曲目が予想しにくいが、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」から「花のワルツ」であった。これは予想外。最初の方のハープのソロはじっくりと聴かせてくれたが、グラズノフでお疲れなのか少し乱れがあった箇所もあったが、「花のワルツ」で楽しく締めて、演奏会を終えた。

鬼門であったタワーホール船堀だが、今日は実にマナーのよい客席であった。高齢者は多かったのに、前の某アマオケの時と客層が違うのだろうか。

グラズノフの交響曲が一巡したので、次回の演奏会でのグラズノフは「ステンカ・ラージン」らしい。また、聴きに行きたくなるなあ。
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