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2018年01月06日20:39

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【音楽】 アウローラ管弦楽団演奏会@すみだトリフォニー ※追記あり

まだ正月休みが続いているが、今日は今年初めての演奏会に行った。個人的なニューイヤー・コンサートである。東京のアマチュア・オーケストラ「アウローラ管弦楽団」の定期演奏会だ。ロシア語の名前を付けていることからも分かるように、ロシア音楽を中心に演奏しているオーケストラである。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・ニコライ・チェレプニン: 遠き王女のための前奏曲
 ・リムスキー=コルサコフ: 歌劇「サルタン皇帝の物語」組曲
 ・チャイコフスキー: 交響曲第6番「悲愴」

   指揮:米津俊広
   会場:すみだトリフォニー (13:30 開演)

今日は新年早々ということもあり、女性団員たちの衣装がカラフルである。

さて、1曲目からいきなり初めて聴く曲である。チェレプニンといえば、アレクサンドル・チェレプニンがまず思い浮かぶが、その父親であるニコライ・チェレプニンの作品である。今日演奏される作品も含めて全く未知の作曲家といってよい。(アレクサンドルの方は何枚かCDを持っているし、コンサートでも聴いた曲がある。)

「遥かなる姫君」というエドモン・ロスタンの劇に付した前奏曲ということだが、聴き終わって、なんだかとても素敵な曲を聴いたなあと思った。はるか昔の思い出に浸り、それは悲しく切ないのだけども、心の奥で安らぎを覚えるような、そんな雰囲気の曲というところだろうか。あくまでも個人の感じ方なので、違う感想を持った人もいるかもしれないけれど。父チェレプニンの作品を、もう少し聴いてみたいとも思った。

2曲目はリムスキー=コルサコフだ。「サルタン皇帝の物語」といえば、「熊蜂の飛行」が超有名だが、それ以外はあまり知らない。歌劇全体を通して聴いたこともないという状態である。物語は、王妃となった妹を妬んだ姉たちの策略で、王子ともども海に流されるが、行き着いた魔法の島で、白鳥に姿を変えられていた王女を助け、故郷の国に帰って父である皇帝と和解、王女と結ばれてめでたしめでたし、という典型的な西洋おとぎ話である。だから、ここは気楽に聴こう。実際聴いていて楽しい曲である。組曲は、「サルタン王子の戦場への旅立ちと別れ」、「海原を漂う王妃と王子」、「三つの奇蹟」の3曲からなる。(有名な「熊蜂の飛行」は含まれない。) 情景が浮かぶような音楽はさすがリムスキー=コルサコフ。演奏の方も素晴らしく、前半だけでも十分に楽しめた。

休憩のあとは、本日のメイン・プログラムであるチャイコフスキーの「悲愴」である。今までに何度となく聴いてきた名曲中の名曲であるが、ロシア音楽を専門とするオケならではの演奏に期待してほしいとの前宣伝もあり、大いに期待していた。

演奏が始まってみると、第1楽章から実に素晴らしい。このようなよく知っている名曲でも、いい演奏ならば心に響く。第1楽章だけでも実に内容の濃い演奏であったが、そのあともずっと良く、聴いていて満足の行く演奏であった。この曲は第3楽章の最後は盛り上げて、第4楽章で突き落とす訳だが、なんと第3楽章が終わった瞬間に拍手と「ブラヴォ」の声。「悲愴」を演奏会で聴くと時々こういう目に合うが、今回もそうであったか。ここに拍手が入るのは想定していたのか、第4楽章に入る前にかなりの間をおいた。気を取り直しての第4楽章も、最後の最後に音が消えるか消えないかのうちに、また拍手と「ブラヴォ」。指揮者はまだ棒を下していない。10秒くらいの静寂があって、再び会場全体の拍手となったが、折角演奏は素晴らしいと思ったのに、二度にわたるフライング拍手で、ぶち壊されてしまった。「悲愴」を演奏する時は、客層にも注意した方がいいと思ってしまう。

だいぶ前に、某プロオーケストラの「悲愴」を聴いて(よく知らぬ指揮者だった)、あまりの雑な演奏に、拍手をせずに会場を出たことがあった。「悲愴」は演奏回数もダントツに多い有名曲だけに、たまにはこういうこともあるが、今日の演奏は実に素晴らしく、今まで聴いた中でも上位に入る。それだけに、フライング拍手が残念である。(フライング拍手遭遇率が高いのも「悲愴」なのだが。)

いや、つまらない愚痴を言っても仕方ない。今年最初の演奏会は演奏は十分に楽しめたし、いい1年になりそうだと思った。


【追記】
チャイコフスキーの「悲愴」のスコアを改めて見てみると、最後は休符になっていてフェルマータが付いている。音が消えた瞬間が曲の終わりでないことが、はっきりと書いてあるのだ。無音の間があって、指揮者が棒を下すまで演奏は終わりではない。
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