01 主なる神である私は、モーセに語って言った。「貴方が私の独り子の名によって命じたあのサタンは、初めからいた者である。彼は私の前に来て言った。『御覧下さい。私がここにいます。私をお遣わし下さい。私は貴方の子となりましょう。そして、私は全人類を贖って、一人も失われないようにしましょう。必ず私はそうします。ですから、私に貴方の誉れを与えて下さい。」
02 しかし見よ、初めから私が愛し選んだ者である私の愛する子は、私に、『父よ、貴方の御心が行われ、栄光は永久に貴方のものでありますように』と言った。
03 あのサタンは私に背いて、主なる神である私が与えた、人の選択の自由を損なおうとしたので、また私の力を自分に与えるように求めたので、私は独り子の力によって彼を投げ落とさせた。
04 そして、彼はサタン、即ち、あらゆる偽りの父である悪魔となって、人々を欺き、惑わし、また真に、私の声を聴こうとしない全ての者を自分の意のままに虜にする者となった。
05 さて、主なる神である私が造った野の生き物の内で、蛇が最も狡猾であった。
06 そこで、サタンは（既に多くのものを引き寄せて自分に従わせていたので）蛇の心の中に思いを入れ、エバも騙そうとした。彼は神の思いを知らなかったので、世を滅ぼそうとしたのである。
07 彼は女に言った。『園のどの木からも取って食べてはならないと、本当に神が言われたのですか。』（彼は蛇の口を通して語った。）
08 女は蛇に言った。『私達は園の木の実は食べる事を許されています。
09 しかし、園の中央に見える木の実については、取って食べてはならない、触れてもならない、死んではいけないから、と神は言われました。』
10 すると、蛇は女に言った。『貴方方は決して死ぬ事はないでしょう。
11 それを食べる日に、貴方方の目が開け、神のように善悪を知る者となる事を、神は知っておられるのです。』
12 女がその木を見ると、それは食べるに良く、目には美しく、賢くなるには好ましいと思われたから、その実を取って食べ、また、共にいた夫にも与えたので、彼も食べた。
13 すると、二人の目は開け、自分達が裸である事を知った。そこで、彼らはいちじくの葉をつづり合わせて、前掛けとした。
14 日の涼しい頃、彼らが園の中を歩いていると、主なる神の声が聞こえた。そこで、アダムとその妻は主なる神の面を避けて、園の木の間に身を隠した。
15 主なる神である私は、アダムに呼びかけて言った。『貴方はどこへ行くのか。』
16 すると、彼は答えた。『園の中で貴方の声を聞き、恐れて、身を隠しました。自分が裸であるのを見たからです。』
17 主なる神である私は、アダムに言った。『貴方が裸であるのを、誰が知らせたのか。食べてはならない、食べれば必ず死ぬ、と命じておいた木から、貴方は取って食べたのか。』
18 そこで、人は答えた。『貴方が私に与えて下さったて、私と共にいるようにと命じられた女が、その木の実をくれたので、私は食べました。』
19 そこで、主なる神である私は、女に言った。『貴方は何という事をしたのか。』すると、女は答えた。『蛇が私を騙したのです。それで私は食べました。』
20 主なる神である私は、蛇に言った。『おまえはこの事をしたので、全ての家畜、野の全ての獣の内、最も呪われる。おまえは腹で這い回り、一生、塵を食べるであろう。
21 私は恨みを置く、おまえと女との間に、おまえの子孫と女の子孫との間に。彼はおまえの頭を砕き、おまえは彼のかかとを砕くであろう。』
22 主なる神である私は、女に言った。『私は貴方の産みの苦しみを大いに増す。貴方は苦しんで子を産む。それでも尚、貴方は夫を慕い、彼は貴方を治めるであろう。』
23 また、主なる神である私は、アダムに言った。『貴方が妻の声に聞き従い、取って食べてはならないと私が貴方に命じた木の実を食べたので、地は貴方の為に呪われ、貴方は一生、苦しんで地から食物を得るであろう。
24 地は貴方の為に、いばらとあざみを生じ、貴方は野の草を食べるであろう。
25 貴方は顔に汗してパンを食べ、土から取られたので、遂に土に帰る。貴方は必ず死ぬであろう。貴方は塵であったから、塵に帰るのである。』
26 さて、アダムはその妻をエバと呼んだ。彼女が全ての命ある者の母であったからである。主なる神である私は、数多くいる全ての女の最初の者をこのように呼んだ。
27 主なる神である私は、アダムとその妻に皮の衣を作って着せた。
28 そして、主なる神である私は、独り子に言った。『見よ、人は私達の一人のようになり、善悪を知る者となった。彼は手を伸ばして、命の木からも取って食べ、永久に生きるかもしれない。』
29 そこで、主なる神である私は、彼をエデンの園から追い出して、彼自身が取り出された土を耕させる事にした。
30 主なる神である私が生きているように確かに、私の言葉が無に帰する事はあり得ない。それは私の口から出ると、成就しなければならないからである。
31 そこで、私は人を追い出し、エデンの園の東に、ケルビムと、あらゆる方向に回る燃える剣を置いて、命の木の道を守らせた。」
32 （これらは、私が僕モーセに語った言葉であり、真に私の望む通りに真実である。私は貴方にこれを語った。私が貴方に命じるまで、貴方は信じる者の他、誰にもこれを示してはならない。アーメン。）
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