藤波と剛竜馬のWWWFジュニア・ヘビー級選手権試合は若さと躍動感に溢れた攻防で館内の応援合戦もあり、大きく盛り上りました。
しかし、常に試合をコントロールしていたのは藤波の方で、両者の実力差がハッキリ出た一戦でした。
メインイベントは猪木がボブ・バックランドの持つWWWFヘビー級王座に約2か月ぶりに挑戦、前回6月1日、同じ日本武道館での対戦では、猪木のNWFヘビー級王座も賭けたダブルタイトル戦として行われましたが、今回はバックランドの王座に猪木が単独挑戦、試合は61分3本勝負。
猪木はこのシリーズ、ペドロ・モラレスによって痛め付けられた背骨の負傷が巡業による連戦で悪化。
歩行も困難な状況になり最悪は欠場か!?との報道も流されましたが試合前にリングドクターの佐藤三蔵医師(菊屋橋病院院長)による懸命な治療で「1時間だけ効く痛み止め」を注射してもらいリングに上がりました。
猪木が先に「炎のファイター」のテーマ曲でリングに入場、続いて王者バックランドがノーガウンで白いタオルを首から巻いて入場して来ました。バックランドの入試テーマ曲はクール&ザ・ギャングの「開けゴマ」。来日直前の7月24日(現地時間)にはニューヨークMSGの定期戦でジョージ・スチールを破り王座防衛に成功しています。
レフェリーは前回に続いてレッドシューズ・ドゥーガンです。
1本目、猪木の動きは悪くなく、バックランドの一瞬の隙をついて珍しい河津落としの奇襲から卍固めを繰り出し20分22秒にバックランドからギブアップを奪い先制。
しかし、1本目に切り札の卍固めを出してしまったことで精根尽き果てたか2本目になると徐々にスピードが低下。若さと体力で上回るバックランドのペースとなりました。
16分15秒、バックランドがハイアングル・アトミックドロップから体固めで取り返し1-1のタイスコア。
決勝の3本目も猪木の劣勢が続き、大きな山場もないまま、時間は経過。バックランドは背中から落とす強烈なダブルアーム・スープレックス、バックドロップ、ドリルアホール・パイルドライバーを見せますが猪木は気力でこれをクリア。
バックランドはバックドロップやパイルドライバーを放った後、ダメージでカバーにいけない、というシーンを「演出」していますが、バックドロップはまだ自らも後頭部を打った、と理解出来ますがパイルドライバーをかけての自分からのダウンは理にかなっておらずセンスのなさを感じました。
セミファイナルで活躍した剛竜馬応援団による鐘の音が試合終了のゴングと誤認される可能性があった為か倍賞鉄夫リングアナから「鐘を鳴らさないで下さい」というアナウンスがあり、試合は緊張感を欠いた展開となってしまいました。
試合は残り試合時間5分となったところで猪木がキーロックを出したことで観客から不満の声も上がり、再び時間切れ引き分けとなりました。
猪木のコンディションの悪さもあり、猪木の60(61)分フルタイム戦の中でも凡戦に入る内容で猪木が何とか61分頑張ったと言える内容でした。
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