ファンタジープロレスの巨匠桜井康雄さん追悼(98)

舟橋アナ「スタミナではアントニオ猪木が遥かに優位です」

アントニオは猪木にヘッドロック、しかし形だけで絞めているという感じはしません。

桜井さん「何気なくヘッドロックにいっていますがねぇ、力が強いですから猪木君堪えるんじゃないですか！？」

舟橋アナ「アントニオは16年前に初来日した時が28歳、もうかなりのトシなんじゃないですか？」

桜井さん「そうですねぇ、40代半ばと言ったところでしょうか。」

舟橋アナ「怪力は健在ですね」

桜井さん「力だけ、という感じもしますけどねぇ、室蘭でバスを引っ張った時はバスの重さだけでも15トンはありましたからねぇ！」

15トン(！？)計ったのか？

猪木はロープに飛んでのタックル、しかしアントニオは例によって「ホホッ」と言った声をあげて自分の胸を手で払って、「効いてない」のポーズ。

舟橋アナ「さあ、アントニオ猪木は９分以内にグレート・アントニオをＫＯすると公言しております。」

桜井さん「アントニオと対戦した若手レスラーに聞いてみたんですがねぇ、アントニオのお腹なんですが、一見だぶついているように見えますが生ゴムのように弾力があると言ってましたねぇ」

アントニオには猪木をロープに詰めてパンチ、「ヘヘイ」とおどけたような奇声をあげて猪木を挑発しています。

アントニオのジェスチャー、これに猪木は舐められたかと思ったか突如ぶちギレ気味となり、試合が急に動いて行きました。

猪木は張り手の連発、倒れてうつぶせになったアントニオに向かって顔面蹴りを叩き込んでいきました。動けないアントニオにさらに追い討ちをかけるように顔面蹴りを連発。

舟橋アナ「顎に入りました！これは効きました！５、６、７、８、９…」

猪木の顔面蹴りの回数を数える舟橋アナウンサー、アントニオは完全に戦意喪失してダウン、レフェリーのミスター高橋はゴングを要請して試合をストップ、３分49秒猪木のＫＯ勝ちの裁定が下されました。

桜井さん「しかしねぇ、これはねぇ、猪木君の蹴りがですねぇ、アントニオの顎にヒットしましたねぇ！ボクシングで言えばアッパーカットですねぇ！」

リング上でうつ伏せになって完全にダウンしているアントニオにマネージャーのディッパー・ゴードが駆け寄って来てアントニオを庇い、両者は退場、

猪木は予告していた９分の半分以下の試合時間でアントニオをＫＯして見せましたが表情は終始厳しいままとなっています。