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2017年05月10日00:10

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短短小説『別れ話』

『別れ話』


「嫌いになった訳じゃないのに何故別れなきゃいけないんだ。」
《いつもこんな風にアキラ、メッチャうざい事言うから、『嫌いじゃないけど、アキラ時々うざい』って言いたかったけど、言い返すとアキラ、メッチャ言葉返して来るから》
「ごめん、私どうして良いか分からない。」
《下向いて泣き真似してたら、ホントに涙出てきて、ううわヤバ、アタシ凄くない?女優じゃん!髪掻き上げーので魅力振りまいたりして、アキラのために思い出作りしてる場合じゃないよねー、アタシってお人好しー》
「じゃあ、もう少しだけ僕の言う通りにしてくれないか?そうしたら君をこの世で一番幸せにしてあげるから。」
《いや、だからうざいって、気づけよ。アキラ優しくてカッコイーけど、なんか、目指してるところ、えっとネジレのイチって奴?両肩に手を乗せてアタシを見つめてもムダだって》
「ねえ、冷却機関ってあるでしょ?」
《あれ?なんか違う?空冷式とか水冷式とか自動車学校で習った奴?もしかしてアタシ超カッコ悪くない?》
「そんな事言わないでくれ。」
《あ、良いのか、セーフ》
「……」
《え?言葉探してる?あら、もしかしてアキラ、泣いてる?アタシ凄!男泣かしちゃったあ、ごめーん》
「じゃあ、」
《なんだ、泣いてないじゃん》
「分かった、別れよう。」
「え、うそぅ。」
「は?」
《ヤッバァ、声出ちゃった》
「何だ、別れたくないのか?」
「いや、」
《あ、間違えた、ん?間違えてない?どっち?》
「どっちなんだよ。」
「知らないわよ。」
《は!違う、間違えた、今度はホントに間違えた》
「お前、ふざけてるな?」
《お前呼ばわりかよ、ひどくない?》
「あ、ごめ、」
「ああ、お前なんかこっちから振ってやるよ。」
《え?なんでそうなるの?逆ギレ?てゆうか、アタシしくじった》
「ごめんなさーい。」
「知るか。お前なんか、アバヨ!」
《うわー、古ーっ、ていうかアタシ振られるの?ウソ、やだ、ごめん、待って》
「行かないでー」


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