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2017年04月29日18:29

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【読書】 最近読んだ本 備忘録

9連休の初日は、読書その他でのんびりと過ごしている。
という訳で、不定期に書いている「最近読んだ本 備忘録」。

●「宇宙に「終わり」はあるのか」 (吉田伸夫著、講談社ブルーバックス)

宇宙がビッグバンで生まれてから138億年。この間のことは、少しずついろいろなことが分かってきているが、それではこのあとはどうなるのだろうか。この本は、宇宙の終焉−ビッグウィンパーまでの宇宙の変化を書いたものである。宇宙は始まったばかりで、ほんの一瞬(138億年)が経過しただけであるが、数百億年すれば銀河が老化し、長寿命の恒星も1兆年で「死」を迎え、100兆年後には「第二の暗黒時代」になる。やがてブラックホールが銀河を飲み込み、10の40乗年後には全ての物質が消滅する。そして、10の100乗年後に終焉を迎えるという訳だ。最新の科学に基づいているとはいえ、もちろん仮説に過ぎないが、壮大な宇宙のドラマは興味深い。


●「日本海 その深層で起こっていること」 (蒲生俊敬著、講談社ブルーバックス)

日本人にとって最も馴染みある海である日本海。地球上の海の0.3%に過ぎないが、「ほどよい位置」にある「ほどよい大きさ」であるがゆえに、独自の海水と循環構造を持ち、生命の宝庫の海なのである。日本海で閉じた熱塩循環が起こっており、まさに全海洋のミニチュア版。しかし、8000年前までは日本海は「死の海」だった。氷河期が終わりを迎えた時に豊穣の海に変貌したのには、最下層にひそむ「謎の水」の存在があった。その日本海の熱塩循環にも、地球温暖化の影響で異変が起きつつあるという。再び日本海は「死の海」になってしまうかもしれない。興味深い本。


●「渡来人とは何者だったのか」 (武光誠著、河出書房新社)

中国や朝鮮半島から次々と日本に渡ってきて、朝廷との結び付きを深めていった「渡来系」の豪族たち。しかし、古代史には不確かな部分も多い。この本は、虚実入り交じる「渡来人」の実態に迫ろうというもので、大和朝廷と朝鮮半島の交流がはじまった四世紀の状況を経て、蘇我氏と結んで活躍した東漢氏、その東漢氏を超えようとした秦氏、そして「渡来系」を自称した豪族たちなど、古代史の一面について書かれている。そのあたりの知識が乏しいので、なかなか難しい本ではあったがが、雰囲気はつかめたか。


●「死の快走船」 (大阪圭吉著/日下三蔵編、戎光祥出版)

日下三蔵編の「ミステリ珍本全集」の一。短編集「死の快走船」、「ほがらか夫人」、「香水夫人」、「人間燈台」、「仮面の親日」、および単行本未収録作品の、計38編を収めた本である。いずれも、戦前から戦中にかけての作品である。昭和20年に戦地で亡くなったこともあり、しばらく幻の作家扱いされていたが、最近再評価されているという。私も先日までは名前すら聞いたことがなかった。おどろおどろしいミステリー小説というよりは、ユーモア小説のような作品が多く、戦時中らしい描写の中に、どこかほっこりするような話もあり、どの作品もなかなか面白い。
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