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2016年11月06日00:34

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【企画】生きものを登場させた作品 (7)

【企画】生きものを登場させた作品
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『平和な星』


私はバクテリアである
と言ったら嘘つきである。
だから一行目の最後に句点を打ってはいない。
人間がバクテリアになってみれば分かると思うが、
“バクテリア”と名付けた人間の大きさは月ほどもあるのである。

バクテリア=0.5〜5μm(1μm=0.000001m)
人間=1.7m(私がそれくらいだ)
月=3,474,300mくらい(らしい)
1μm : 1.7m ≒ 1.7m : 3,474,300m
(計算が合っているかどうかはこの際どうでも良い)

かつて、人間が月に着陸したことがあったが、
その時彼らは、まさか月が自分達の事を、
“人間”とは別の呼び方をしているなどとは
夢にも思わなかったはずである。
当時、人間は征服者の気分でいたであろう。
がしかし、月からすれば、
「うがいしてた方がよくね?」
程度の出来事ですらなかったはずである。

バクテリアは人間の事をどのように認識しているのだろうか。
(認識という言葉は不適切ではあるが、
ちょっと面白いのでバクテリア君に
ゆるキャラのような着ぐるみを着せてみよう)

時の流れる速さが全く違うのである。
子供の頃、小さなハエが猛スピードで螺旋に飛行するのを見て、
「こいつ何で目を回さないんだ?」
と思った記憶はないだろうか。
しかしハエは気圧の違いによって耳がキーンとならないよう
高度をゆっくりと下げながら遊覧飛行を楽しんでいるのかもしれない。
バクテリアにとってはそのハエの飛行さえ止まって見えるとすれば、
人間など、永遠に不動の大地のはずである。
バクテリアは人間という平和な星で
尽きることのない食糧に囲まれ幸せに暮らしながら
幾つもの世代を過ごしているのである。



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