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2016年09月08日00:09

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デトロイト美術館展

天王寺の大阪市立美術館です。
久しぶりだったので、天王寺公園がフリーで入れるのに驚きました。

展示は4つのテーマに分かれています。

第1章 印象派
第2章 ポスト印象派
第3章 20世紀のドイツ絵画
第4章 20世紀のフランス絵画

まず人気があるのは印象派でしょう。見るからに有名な絵、というのはないのですが、祭世に目に飛び込んでくるルノワールの「白い服の道化師」のやさしいタッチ、点描のピサロ、ドガやモネなど画家の特徴を表した絵が並んでいます。

その中でアンリ・ジェルヴェクス「パリのカフェにて」とカロリュス=デュラン「喜び楽しむ人々」は画家の名前も知りませんでした。しかも印象派とは違う、写実的な細かい描写です。
印象派は最初は蔑称だったように、当時のフランス絵画の主流はアカデミズムでした。なので19世紀半ば以降の絵画がすべて印象派のような描写になったわけはなくて、こういった絵を描く画家がいても当然なわけです。この2点は「アカデミズム」というほど高尚そうな雰囲気をまとった絵ではなくて、何気ない日常の一こまを切り取ったような内容の絵ですが、印象派がアグレッシブな存在だった当時はこういった絵の方が「普通」だったのかもしれないと思いました。

ポスト印象派はまずゴーギャンの自画像から始まります。
そしてポスターにもなっているゴッホの自画像。ゴッホの「オワーズ川の岸辺、オーヴェールにて」の荒々しいタッチはのちのフォーヴィスムにつながるものを感じます。

セザンヌはサント・ヴィクトワール山や水浴図(ただし男性)などおなじみのテーマ。
そして「画家の夫人」という大きな肖像画があります。もったいぶったタイトルですが、つまりセザンヌ自身の妻の絵らしい。でもな〜んか不機嫌そうな渋い顔つきで沈んだ雰囲気の絵です。
「あんたってばよくわからない絵ばかり描いて、いつになったら売れるのよ」
「うるせー!お前にオレの芸術がわかるか!」
「私だけじゃなくてほかの人にも理解してもらえないじゃない」
「なんだとお〜〜〜!亭主をバカにしやがって!」
このあと激しい夫婦ゲンカ→口もきいてくれない。
そんな時、そっと妻の顔を見て「あ、この顔描いてみたい」
…なんて妄想をしました。

ボナールのやさしいタッチの絵が1点ありました。「犬と女性」。

さて、20世紀のドイツ絵画ですが、一応「表現主義」が主体です。といっても、表現主義というまとまったグループがあったわけではなくて、のちにひとまとめにナチスの弾圧を受けたのでひとまとめに「主義」にされてしまったらしい。
まずはカンディンスキーの抽象画「白いフォルムのある習作」を見たら、途端に気持ちが高揚するのがわかりました。抽象画なので何が何だかわからないのですが、なんだかとてもいい!

さらに進んでいきますと、硬質な描写、がっつりとしたフォルム、とりあえず「ドイツ表現主義」というくくりで納得できそうな絵が並んでいます。どれを見てもうれしくなるぐらい「いいな〜」「いいな〜」と思ってしまうのが不思議。

そもそも印象派といえば絵のジャンルとしては鉄板で人気のあるものですが、私はルネサンス〜バロックあたりの時代のほうが好きなのです。それが、印象派、ポスト印象派、と続いてきて普通に見ていたのが、現代に近くなる方が見ていてうれしくなる…?見た目は楽しそうな絵じゃないのに。
「年老いた農婦」の年月が刻まれた手の描写。
ベックマンの「オリーヴ色と茶色の自画像」は、ナチスの弾圧を受けて国外に亡命して転々としていたということで、苦い表情に確固たる意志が感じられます。ガッチリした輪郭線に禿げ上がった頭頂部が光を反射していてコテコテの描写。制作年を見ますと1945年。戦争が終わった年ですね。
売店にキルヒナーの「月下の冬景色」とココシュカの「エルベ川、ドレスデン近郊」の絵ハガキがあったので買ってしまいましたよ…。

もしや、印象派とは、アカデミズム絵画、写実的な絵画から現代の自由な表現への橋渡しとして生まれた絵画ではなかろうか、などと思ってみたり…。

そして20世紀のフランス絵画は、マティス、ルオー、ピカソ、モディリアニ。マティス以外はフランス人じゃありませんが。
ピカソは青の時代の「道化」、1923年の「肘掛椅子の女性」は普通にリアルな絵です。あとはピカソならではのキュビスム表現の「読書する女性」「座る女性」など。

スーティンは「赤いグラジオラス」という、スーティンにしてはきれいな花の絵。バックが暗いので華やかにはなりませんが。でも「シャイム・スーティン」って書いてある…。
最初私が美術の本で見たときは「カイム・スーティン」で、この間「なんでも鑑定団」に絵が出てきた時は「ハイム・スーティン」と紹介されていました。私の見た本はずいぶん前なので読み方が訂正されたのかと思っていましたが、さらに違う読み方が出てくるとは。いったいどっちが本当?ロシア人なのですが、ローマナイズされた綴りではどう読むのが正確なのかわからないー。

デトロイト美術館の充実ぶりがうかがえるような展覧会でした。
まさかドイツ絵画が一番気に入るとは、意外な展開でした。
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