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2016年08月28日20:35

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【音楽】 オーケストラ・ダヴァーイ演奏会@すみだ

雨がちな土日だったが、今日は錦糸町まで音楽を聴きに行った。オーケストラ・ダヴァーイの第10回演奏会である。オーケストラ・ダヴァーイはロシア音楽をレパートリーとしているアマチュア・オーケストラで、名前になっているДавайとは、ДаватЬの命令形で、完了体1人称複数あるいは不完了体不定形を伴い「〜しよう」という意味になる。(おっ、手元のロシア語辞典を活用しているなあ。)

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・スヴィリードフ: 時よ、前進! 
 ・ポポフ: 交響曲第1番
 ・ショスタコーヴィチ: 交響曲第10番

    指揮:森口真司
    会場:すみだトリフォニー 大ホール (13:30開演)


1曲目はスヴィリードフの「時よ、前進!」である。ソチ五輪の開会式にも使用された曲らしい。この曲を初めて聴いた時は、ただただその激しさに圧倒され、「時よ、前進!!!!」と、「!」をたくさん付けたくなるような曲に感じ、それはそれで大いに気に入ってしまったのだが、今日は、ただ大音量なだけではない、この作品の持つ魅力を、丁寧な演奏で聴かせてくれたと思う。やっぱりカッコイイ曲だ。もちろん、この曲を聴けばどうしたって、気分は前向きになる。まさに「前進!」であり、いい感じで演奏会がスタートした。

つづいてはポポフの交響曲第1番だ。ピアノを下げてハープを入れるなどのステージ上の作業で若干の間があり、おとなしく待っている。この作品を生で聴くのは初めてだ。つい先日8月4日に、東京交響楽団による日本初演があり、残念ながらそれは聴きに行けなかったが、今日はアマオケとしては初演ということになる。あまり知られていないであろう作品が、1ヶ月の間に2回も演奏されることとなったのである。

冒頭からいきなり大音響による一撃があるが、そのあとは静かに展開するかと思いきや、突然爆発するような音楽で、打楽器群がズラーっと並ぶだけで想像できるようなすさまじい大音量が、しかし決してうるさくなく、心地よく響く。CDでは先に2番、3番を聴いて、そのあと1番を聴いたら、2番以降との作風の違いに驚き、ポポフの本来の音楽はこういうアヴァンギャルドな作品だったのだなと思ったのである。(国家の「いろいろな事情」があって作風を変えざるを得ないこともあっただろう。) こういう曲は、やはりCDで聴くより生演奏で聴いた方がいいと思う。挑戦的で挑発的、不気味な絶叫と沈黙。ポポフの交響曲第1番のアマオケ初演を十分に堪能した。残念だったのは、最後の音が消える前に一部で拍手が起こったこと。指揮者が棒を下すまで待ってくれよ。

休憩のあとは、ショスタコーヴィチの交響曲第10番だ。これは演奏会でも何度か聴いているし、ショスタコーヴィチの交響曲の中では好きな方に入るが、ダヴァーイもさすがの演奏であった。もっとも、なかなか捉えどころの難しい曲者な(?)作品だとは思うが、細かい理屈は抜きにして楽しもうと思うと、何やら意味ありげなゆったりの第1楽章、突然大爆発の第2楽章、不可思議な第3楽章、熱狂の第4楽章、それぞれ素晴らしい演奏であった。

演奏会終了後は、頭の中でしばらくD−Es−C−Hの音型が鳴っていた。

ダヴァーイはレベルの高いアマオケだと思うが、今日の演奏会は10回記念という節目で相当気合が入っていたようで、実に素晴らしい演奏を聴かせてくれた。こういうアマオケだから、何度も聴きに行きたくなるのである。
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