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2006年08月09日03:44

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●ニセ管理人日記(14)/■キツネはキツネになる (2)

■キツネはキツネになる (2)


 ●もしもし
  きつねくまぞうです。

  きょうは、夏と台風と秋がいっしょにやってきたような
  ヘンな一日でした。

  台風接近による昨夜からの大風は、きょう日中も吹き荒れ
  日がさしているのに、台風。
  暑い日差しの中のその大風は、どこか「秋」を運んで
  きている気配でした。



  ナラトさんは、きょうは神戸のハローワークに
  出かけたようです。
  あす、新会社の健康診断をパスすれば、採用
  ちゅうことで、その件でハローワーク
  行ったみたいです。

  

 ●さて、ワタシのほうですが、
  この二日間、ナラトさんと交互に日記を書いています。


  ワタシの日記は、
  「キツネはキツネになる」の続きです。


  ワタシはふだん市役所で、こんなかっこうで働いていたのですが、



      フォト

  

  ある日ワタシは、意を決して、自分の本当のすがたを現すことに
  きめたのです。


      フォト





  そうしたら、どうでしょう。

  市役所は黒山のひとだかり。それは大変な騒ぎでした。

  ついには、サイレン鳴らして救急車までやってきて、
  ワタシはどこかに連れて行かれたのです。



  きょうは、そのつづきをお話しします。



  前回とおなじく、三田村先生が書いてくださった、
  その「顛末記」をここに再録します。





 ●キツネはキツネになる (2)


  こうして、それから二十日ほどたったころのことでした。
  わたしのところに、差出人が書いてない小包が届きました。


  開けてみると、中からポロリと一通の手紙がこぼれ落ちました。


  わたしは、すぐに だれからきたのか わかりました。
  手紙は、みみずがのたくったような字で 書いてあったのです。






    先生、お元気ですか。

    ぼくが市役所を追い出されたことは、もうご存知だと
    思います。

    ぼくは、無理やり救急車に乗せられて、ある病院に
    連れてこられました。
    この病院は、ふつうの病院とちがって、窓には鉄格子が
    はまり、ドアには いつも鍵がかかっています。


    つまり、ぼくは、この病院に閉じ込められてしまったのです。


    ぼくをここへ連れてきたのは、市役所で、机ごと奥へ
    ぼくを運ばせようとした市民課長です。


    課長は、、
    「きみは病気だ。しばらく この病院で治療したまえ」
    と言いました。


    ぼくが、
    「ぼくは病気じゃありません」
    と言うと、


    課長は、
    「自分がキツネだなんて言い出すのは、病気の証拠だよ」
    と言うのです。



    「ぼくは、本当に自分がキツネだからキツネだと言ったんです。
     それがいけないですか」



    ぼくが、そう言うと、課長はニヤッと笑って、
    「いいかね。きみ。きみが そんなことを言い出したら、
     ほかの人がマネをして、自分は本当はオオカミだ、
     とか、本当はライオンだ、とか言い出すかも知れん。

     そんなことになったら、大変な騒ぎになるじゃないか。
     だから、急いで、きみをここへ連れてきたのさ。

     きみが、あくまでキツネだと言い張って、
     キツネのかっこうをやめないのなら、
     いつまでも ここに いてもらわねばならん。

     考え直して、いままでどおり人間にもどる、
     というのなら、すぐに出してあげよう。

     よく考えたまえ」

     と言って出て行きました。



     ぼくは、すぐに ここを逃げ出そうと思いました。

     それは、キツネであるぼくにとって簡単なことです。


     しかし、逃げるのは当分やめにしました。
     というのは、
     この病院にいるほかの患者さんが、ぼくに とても
     面白い話をしてくれたからです。

     その人は、その話は、本当にあったことだと言いました。


     それは兎も角、その話が気に入ったので、ぼくは
     その話をもとに童話を書こうと思いました。

     童話に書いておけば、だれでもが その話を知ることが
     できるからです。


     出来上がったら、お送りしますから読んでください。
     できれば、ほかの人にも見せてください。


     それでは、先生。
     さようなら。

     もし、いつか
     ぼくのウワサを聞くことがあったら、ぼくはここを出て、
     どこか遠くにいるはずです。

     それでは また お便りします。






 ●最後の手紙、つまり、
  みみずがのたくったような字で書いてあると、三田村先生が
  いっているのは、ワタシが書いた手紙のことです。


  小包の中には、この手紙のほかに、「シロクマ」の話を
  書いた童話もいれておきました。


  ワタシは、その手紙を書いたあと、しばら病院にいました。


  病院であったことや、書いた童話の話、また 病院を出てから
  あとの話など、まだまだ お話すべきことはいっぱいあるのですが、
  きょうは ここまでにします。




  
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