■獺狐余話(123)　/　「贈り物」

●2014年12月14日（日）　　晴れ

　▼「ナラトさん。
　　　このテレビ、どうしたのですか？
　　　買ったのですか・・？」


　　「いや、ショウが持ってきてくれたんだ・・」

　　「えっ、ショウくんが・・・」

　　「そうなんだ。　なんでも、学校の先輩が創設した会社が作った
　　　液晶テレビ、ということで購入したらしいのだが、あまり使わぬうちに、
　　　新しいテレビを買ったらしい・・・。

　　　それで、持ってきてくれたんだ」



　▼「あれー、新品みたいじゃないですか・・」

　　「うん、ほとんど、使ってないみたいだね・・」

　　「よかったじゃないですか。
　　　これで、来年３月のアナログ放送の終了後も
　　　安心ですね・・・」

　　「アナログ・デジタル変換器をもっているから、
　　　いまの、ブラウン管のテレビでも、十分、対応は、
　　　できるのだけど・・・」

　　「前のテレビと比べたら、横長で、面積が倍くらいあるから、
　　　こんど、ナラトさん、カメラで映像を撮っても、きれいに写ると
　　　思いますよ・・」



　▼「居間のテレビは、ナオちゃんからのプレゼントで、
　　　ナラトさんの部屋のテレビは、ショウくんの贈り物ですか・・」

　　「ああ、そうだね・・」

　　「ナラトさん、仕合せですねぇ・・」


　「うん、ボクも、そう思う。
　　ショウからテレビ、もらって、ボクは急に
　　『爺ちゃん』になった気がしたよ・・」

　　　　　　

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