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2014年12月14日19:11

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【音楽】 新宿交響楽団演奏会@新宿文化センター

今日は、新宿交響楽団の演奏会に行った。このオケの演奏会に行くのはおそらく初めてだが、たまたまプログラムを見たら行きたくなったのである。

今日のプログラムは次のとおりである。

 ・伊福部昭:SF交響ファンタジー第1番
 ・伊福部昭:土俗的三連画
 ・和田薫:管絃楽のための交響的印象「海響」
 ・ブラームス:交響曲第4番

    (指揮:高畠浩、会場:新宿文化センター大ホール)


今年は伊福部昭生誕百周年で、例年になく頻繁に伊福部昭の作品が演奏される演奏会には行っているが、最後にもう一つぐらい何かないかなと思っていたら、この演奏会を見つけたのである。いきなり「ゴジラ」で始まり、次は伊福部の若き日の作品、愛弟子である和田薫の作品で前半を終え、後半は趣を変えてブラームスの4番で締めくくる。なかなか魅力的なプログラムだ。

新宿駅から遠いのが難点の文化センターだが、ゆっくりと会場に向かうとすでに列が出来ていた。今日は会場も満席に近かったし、早めに行って正解だった。


開演はいきなり「ゴジラ」から始まる。今年何回聴いたか数知れないが、何度聴いても飽きないのである。伊福部の映画音楽は奏者にもかなり高度な技術が求められるので、金管も結構苦しそうだったけど、ヒヤヒヤながらなんとか頑張ったなという感じである。指揮者も勢い余って最後の方で指揮棒を飛ばしてしまったが、演奏はもっとガンガン盛り上げても良かったかなと思う。「SF交響ファンタジー1番」の演奏終了直後にしては、拍手が控え目に感じたのは、演奏のせいというより、客席に高齢者が多かったせいもあろうか。

ステージ上のオケメンバーの半数以上が退き、知らないと何事かと思うが、次の「土俗的三連画」は、伊福部昭のオーケストラ作品には珍しく、小編成の室内オケのための作品なのである。北海道厚岸で林務官として働いていた若き伊福部が、厚岸での印象を音にした作品で、「日本狂詩曲」の大編成管弦楽による大音響の曲から一転し、次作は精緻に編み上げられた作品となった。これはなかなか良かった。実はこの曲を生で聴くのは初めてかもしれない。それもよかった。厚岸には行ったことはないが、以前にJR根室本線で通ったことだけはあり、その時のかすかな風景の記憶が蘇った(ような気がする)。

再び大編成のオーケストラに戻り、和田薫の「海響」だ。結論からいうと、今日の演奏会の中ではこれが一番良かった。千葉県銚子市の委嘱により作られた作品とのことで、「自然、人、祭り」をテーマに、民謡の旋律も取り入れ、最後は「よ〜っ!」の掛け声とともにお祭りモード全開になる。この曲もCDで聴いただけで生で聴くのは初めてだが、なかなか面白かった。和田薫は、いかにも伊福部昭の弟子であるような作品が多いが、これは高齢者の多い会場も大いに盛り上がったようだ。私も銚子には何度か行ったことがあるが、考えてみれば銚子電鉄およびその周辺の印象しかないな(笑)。

休憩のあとは、ブラームスの4番だ。ここでガラリと雰囲気が変わるのであるが、ブラームスの4番は大好きな曲なので、これも何度聴いてもいい曲だ。年内のコンサートの終盤に相応しいプログラムだろう。冒頭の弦がいい感じで響いたと思ったが、全体としてはかなり枯れたブラームスという感じがした。いや、もともとそういう曲だということも言えるし、しみじみとブラームス...、という感じで、それはそれで悪くはなかったかもしれない。少し金管の乱れがあったものの、市民アマオケとしては演奏レベルは高い方だと思った。(今日初めて聴いたオケだが。)

会場をあとにする頃(16:00)には暗くなりかけていた。「四季の路」をゆっくりと歩いて新宿駅に向かった。今日の演奏会のプログラムの表紙に描かれていたように、赤いハリネズミを連れたブラームス先生と、ゴジラを連れた(?)伊福部先生がすれ違いそうな気がして...
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