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2014年12月06日21:53

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【散策】 旧東海道戸塚宿を歩く

12月になり寒さも厳しくなり、いよいよ冬本番間近となったが、折角の快晴なので、前回の保土ヶ谷宿の続きで、今日は旧東海道の五番目の宿場である戸塚宿を歩くことにした。宿場の入口は戸塚駅に近いことろにあるが、前回の「保土ヶ谷宿を歩く」を終えた境木の武相国境地点から始めることにした。今回は初めて前回と道がつながっている。

横須賀線で東戸塚まで行き、市営バスに乗って境木地蔵尊まで行く。これから長い距離を歩くので、出発地点までは体力を温存するのである。武蔵國から相模國に入った境木の国境地点から出発だ。旧東海道を示す案内碑が建っており、進む方向を間違えることはない。しばらく登り坂が続く。少し行くと品濃一里塚があった。日本橋から数えて九番目の一里塚である。ほぼ完全な形で残っている一里塚で、県の指定史跡にもなっている。さらに歩いていく。道の分岐点には案内図があり、迷うことなく進むことが出来る。しかし、本当にこの道で合っているのか不安になりかけたのが品濃坂だ。旧東海道を歩いているつもりが、突然下り階段になり、その先は環状2号線を渡る歩道橋である。案内板を見ると確かにここは品濃坂であり、往時の急坂が国道を渡る歩道橋に変わったのだ。江戸方面に向かう旅人は、境木立場まであと一息の急坂であった訳だが、逆方向は下りなので楽である。

坂を下りて川沿いの小道をゆっくりと歩く。少し行くと国道1号線に合流だ。交通量の多い道で、ここはさっさと通り抜けたくなる。ポーラの本社前を過ぎると、大山道との分岐点に着く。ここに大山前不動があるが、大通りなので道の反対側に渡るためには、横断歩道のあるところまで迂回しなくてはならない。大山前不動は、大山詣の前に寄るところで、不動明王が祀られている。再び国道と離れて脇道に入る。こちらが旧東海道だが、もちろんこちらの方が歩きやすい。何やら由緒ありげな煉瓦造りの建物があると思ったら、鎌倉ハム発祥の地ということらしい。明治20年に英国人カーチスからハム製造法を学んで創業したという。煉瓦の建物は大正7年の建造だ。

再び国道1号線に合流する。途中のダイエーで小休止する。このあたりが江戸方見附跡で、すなわち戸塚の宿場の入口である。ようやくたどり着いた。国道に沿って歩くと吉田一里塚がある。先ほどの品濃一里塚から一里歩いた訳だ。この一里塚を過ぎると間もなく吉田大橋で柏尾川を渡る。広重の絵にも描かれている大橋である。そして東海道線の踏切に差し掛かる。すぐ左が戸塚駅だ。この踏切も来年の春には廃止されるそうで、すでに跨線橋が完成している。今日は、旧東海道を歩くため、跨線橋は使わず踏切を渡った。

さて、ちょうど正午だ。東戸塚駅から2時間である。戸塚駅前に正午に着くと見積もっていたが、あまりに正確で驚いた。もちろん食事の時間である。戸塚駅ビル「トツカーナ」内にある、ちょっとノスタルジーなカレー屋「菊屋食堂」でカツカレーを食べた。駅ビル「トツカーナ」の命名センスにもちょっと笑ってしまう。

戸塚駅の周辺が戸塚宿の中心でもあり、内田本陣跡、脇本陣跡、澤邊本陣跡などの案内板があるが、残念ながら案内板以外は何も残っていない。内田本陣跡は銀行に、澤邊本陣跡は個人の住宅になっていた。道路沿いには寺社もある。まずは海蔵院に寄ってみる。海蔵院は臨済宗円覚寺の末寺で1363年の創建、「戸塚十勝」の一つでもあるそうだ。その少し先にあるのが八坂神社である。ここにもお詣りする。「お天王さま」として親しまれており、1572年に牛頭天王社を勧進したのが始まりという。7月に行われる「お札まき」は、市の無形文化財に指定されている。さらに行くと富塚八幡宮だ。ここにもお詣りする。戸塚宿の総鎮守である。1072年の創設とのことで由緒ある神社である。山頂の古墳が「富塚」と呼ばれ、これが「戸塚」の地名の起こりともされている。

本陣や寺社の並ぶ通りを過ぎると上方見附跡だ。すなわち宿場の西側の出入口である。ここもサイゼリアになっていて、案内板があるのみである。戸塚宿を歩くということであれば、ここで終わりにしてもいいが、折角だからもう少し歩いてみようと思う。しかし、ここから先はまた登り坂が続く。大坂という坂である。保土ヶ谷から戸塚を歩いて、旧街道沿いはずいぶんと起伏に富んだ地形であることを今さらながら知った。現在の便利な交通機関ではなかなか気付かないだろう。

大坂を登り始めてすぐにあるのが第六天社だ。第六とは、「古事記」と「日本書紀」で六番目に出現したと書かれている、面足命(おもだるのみこと)と惶根命(かしこねのみこと)を祭神としているのである。伊邪那岐、伊邪那美の出現は七番目であるから、その前の神である。その横には7基の庚申塔が並んでいる。さらに大坂を登っていくと、大坂松並木がある。このあたりからようやく道が平坦になるかと思ったらまた少し登りが続く。最高地点は標高70m位あり、今日の出発点の境木とほぼ同じだ。今日は上り下りの激しい道である。間もなく原宿一里塚が現れた。吉田一里塚からさらに一里歩いた訳だ。

今日の街道歩きはこの原宿一里塚で終えることとする。最寄のバス停の大運寺から神奈中バスに乗って、藤沢駅に向かった。日本橋を早朝に発つと戸塚で一泊目となったというので、ここで一区切りだ。品川宿から気まぐれに始めた旧東海道宿場歩きだが、とりあえず戸塚宿までとし、続きは気が向いたら再開するかもしれない。午後になって雲も出てきて、ますます寒くなってきた。
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