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2014年12月01日14:39

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■「narato's page ― 2014年12月 ― 」

◆◆◆ 「narato's page」 ◆◆◆
         ― 2014年12月 ―
       
        12月の花:「ポインセチア」

    フォト
        写真提供:季節の花 300

   ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
          what's new?
   ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★


       冬が来た

                      高村 光太郎


     きっぱりと冬が来た
     八つ手の白い花も消え
     公孫樹(いちょう)の木も箒(ほうき)になった 

     きりきりともみ込むやうな冬が来た
     人にいやがられる冬
     草木に背(そむ)かれ、虫類に逃げられる冬が来た

     冬よ
     僕に来い、僕に来い
     僕は冬の力、冬は僕の餌食だ

     しみ透れ、つきぬけ
     火事を出せ、雪で埋めろ
     刃物のやうな冬が来た



      道 程

                      高村 光太郎


     僕の前に道はない
     僕の後ろに道は出来る
     ああ、自然よ
     父よ
     僕を一人立ちにさせた広大な父よ
     僕から目を離さないで守る事をせよ
     常に父の気魄(きはく)を僕に充たせよ
     この遠い道程のため
     この遠い道程のため



                (ともに、詩集『道程』から )
 

    ================================================




   ▼これらの「詩」を知ったのは、中学生のころ。
    僕は、そのころ、よく
    決心をした。


   ▼高校生になったとき、「寒い朝」という歌が
    流れていた。

    僕は、人前で、歌うことはなかったが、
    胸では、そのメロディーといっしょに、

      北風吹きぬく 寒い朝も
      心ひとつで 暖かくなる
      清らかに咲いた 可憐な花を
      みどりの髪に かざして今日も ああ
      北風の中に 聞こうよ春を
      北風の中に 聞こうよ春を

    という、「詩」を歌っていた。




   ▼大学生になって、僕は、「詩」をつくった。


      夭 折

                      楢門 二樹

    
     ――おお だから
     誰もぼくを許そうとするな
     と、あなたは言った
     石か骨か
     それとも灰になりたかったことを
     立ちつづける杭に誓って
     信じてもいい
     けれど
     鉛錘(おもり)にも似たこの走光性は
     ついに はじけてしまうのだ

     たとえ愚かでもいい
     夜空をとびかう星群のために
     ひとりで回る風車のために
     わずかな時間は
     わずかなように
     酔いどれは唄う
     酔いどれの唄を


    ========================


   ▼「詩」を知り、「詩」をつくった僕は
    それから、どんな決心をし、どんな時間を
    過ごしたのだろうか。

    私は、いま、そのことを思う。



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     ●楢門二樹の自由帳:

        
「Home・入口」   「きょうの一曲!」
        「詩人インデクス」   「高村 光太郎」   「楢門 二樹」

      ●前号(11月):「back」 / ●次号(1月):「next」

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