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2014年11月29日15:57

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詩『時の構造ー5』


女がショッピングカートにつかまって足を片方ずつ前に運んですすんでいるが、その後ろで、後ろ手にカートを引いている女は、前の女に追いつくか、というところで立ち止まり、こぶしを腰に回して、今、ゆっくり伸びをした。

国道沿いの午前中のスーパーでは、老人たちが歩道を外れ、駐車場を歩いて横切る。

入口のベンチに長く腰かけていた男は、いつの間にか自転車に乗って信号機まで行った所で振りむき、やはりカートを引いた女が車の通路を横切っていて、渡り切るのを待つ黒い車のエンジン音がガタガタいっているのも聞こえずスーパーの入口に向かっているを見ている。

国道を通る車の列は川が流れているように見える。



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