mixiユーザー(id:60260068)

2014年11月24日14:18

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試『支離滅裂文学・四』


陰をつたって獲物を狙っている者
なに食わぬ顔で街はゆき過ぎる
片隅にとり残された兵士の人形は
日が沈めば存在さえ消されてしまう
顔に残された少年の指紋は
永遠の時の途中をさまよい続ける
野良猫は身構えるが
闇に光るふたつの煌きは
脱走したパチンコの玉である
安堵に寄りかかろうとした時
無数の微細なトゲが刺さった
眠りに落ちていく間
去っていった光を思い出していた
そこで時が切断され
目覚めの端につなげられた
体内に何かいる
無くしてしまった時の闇で
邪悪が巣食っていたのだ
くすぶっている薪の奥で起こった
激しい戦闘による死体が
風にさらわれ岸辺にたどり着く
外界はすでに日が昇っている
閉じ込められた箱の中で
心臓が反撃をはじめた



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