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2014年11月15日21:40

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最近の短歌(11/11〜15)


【死】

辻ばたのアスファルト割り突き出でて百合花咲いて根もとで倒る   

なにもないということがそこにあり なにかがそこでうまれでている 

見えなくて恐れる事が今あって何も無ければ恐れない筈が   

あの人が死んでしまったその後は死んでいるのです また会いましょう

まな板で切られた具材がころがって鍋の中へと落ちていくよう

父の席私がすわり団欒の我が家はスープにダシがきいてる


【一年】

[一月]
正月に柏手うって神だのみ何をと見れば神妙な妻
[二月]
決められた期日にとける恋もよう本命なのか義理チョコなのか
[三月]
卒業に色こい景色うすれゆきセーラー服のうしろ髪ながく
[四月]
とまどいの初登校に花は咲き一直線に帰る夕焼け
[五月]
青くゆく口いっぱいの声あげて風を味方にはためいてこい
[六月]
長ぐつは意味があるのかグチュグチュと何故かわざわざ溝をえらんで
[七月]
どこからか繰り出してくる夏休み蝉と勝負の声高らかに
[八月]
経文を面白がって唱えるを冷ややかに聴く僕のじいちゃん
[九月]
少しずつ静かになっていく森の土にかえったつわものどもよ
[十月]
半袖か長袖なのか迷う頃コロコロコロと草むらに鳴く
[十一月]
街灯にうつる人影さま変わり上着そばだて冬の足音
[十二月]
締切りに追いたてられて息つがず逃げ切る師走あともう少し


【秋】
秋空の気まぐれに強い風巻いて君のマフラー朽葉の色に

【初冠雪】
朝ぼらけ雨戸を開けて息白く向かいの山も はや化粧する  

【いにしへ短歌風】
いにしへに聞きける曲にはたとして出で覚ゆるは鳥がさへずり


 
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