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2014年11月11日04:35

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詩『青いスーパーボール』


今日は雨が降っていて林がうすい
空はカサの上
学校の方から溝を流れてくる水が雨にふえて
いつもより大きな音を立てている
黒いカサの下に交互に出る白い靴は
水が入ってもうグチュグチュ言っている
カサから見えてくる白線は
学校を通りこして向こうの神社にまで
つづいているようで踏んで踏んで
金属のデカイふたに邪魔される
立ち止まったわきの草むらに
青いスーパーボール
水にぬれて透きとおっていて
僕のもの
だれかに取られないように
赤いカサは僕の鼻先で
黒いカサはポケットのこぶしの中
うしろは遠くて
青いスーパーボール
道に落としてはねてくる
手のひらの上こぶしの中にあって
僕のもの
道に投げたスーパーボールはつよくはねて
カサの上に消える雨の中
道にもどって溝の中
水に飲まれたスーパーボール
溝の音、僕を見ながら
カサを打つ雨の音、水が流れていく
追いこしていく赤いカサ
黒いカサ



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