【和歌】
むばたまのうしろ髪なむ遠ざかる終のゑみほど残るものなし
天つ風月にかかりし叢雲をかきて解かなむ君が黒髪
君がため何事なりとて果たせどもよにも憂き夜のねやにさす影
出逢ふとも別れは消えじ重ね着の上げたるうでも置き場みえざり
とらへられ粛清されしその清をわりなき涙に流しはべりぬ
【現代短歌】
わずかでも二人の時に気をおかず路歩むよう全てうけ入る
いつだって電話で繋がる安心が安易に鎖とならないように
はがれゆく触れる温もりおちてゆくすべてを奪いあきは去りゆく
白なみの立ちて染み入る砂浜に千鳥さえずり小刻みに風
たまらなく好きだったから合わないと思いたくなかったもう会わない
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