mixiユーザー(id:60260068)

2014年11月08日01:11

18 view

数日の短歌(11/06〜08)


【死】
ただいつか生まれる前に戻るだけと言いながらも想像できない 

【神】
まがいもなく我を作りし父ならば母護りぬく神となるべし

【月】
明るっ!とフロントガラスの股越しに前かがみに見たポンと満月  

ぬばたまの狭い都会の夜空から寝ぼけた月がのぞき目が合う 

【恋】
肺の奥、食いたいと声こだましてわなわなと口食いしばる   

俯いてはにかむ君を前にして僕らは二人焦点になる    

配達の森林をとおる道すがら懸想文ならぬ絵葉書を描く

メールには匂いは無いのだ君たちよ己が下手くそな手紙に熱を  

【愛】
スパルタの男ありけり凱旋の後は女房の尻にペシャンコ  

【雀】
お向かいの瓦の屋根を光跳ねスズメがあちこちこじゃれて遊ぶ

【音】
葉のうへに置きたる露のひとしづくたもと離れて地にまがひけり 

【雨】
ブレーキを踏まざるをえず停車さす激流のごとき驟雨に遭えり

【虹】
出張の帰りの道に陽が這えばあま雲ついて虹立ちあがる  

【命】
蝉がごと生きられるなら今この時命はかなし熱く燃やさん   

3 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する