●2014年08月22日(金) 未明
▼「キツネくん。
ほらっ、秋の風がはいって来るよ」
「ナラトさん。
ほんまですねー。
秋風じゃないですか・・。
静かな夜ですねー」
▼「さて、キツネくん。
『素数ゼミの謎』の、石森愛彦さんの絵を
アルバムにアップしたので、マイミクさんの中には、
TVのミステリー番組と同じで、絵を見ただけで
謎を解いてしまった人も、きっとおられると思う・・。
そうすると、いまから、ボクが話すことは、TV風に言えば、
ミステリー現場の観光名所とか、そんな場所で、犯人と、
その他のミステリーの登場人物がみんな集まって、突っ立ったままで、
主人公の刑事が語る『謎解き解説』を聞いているような感じで、
ちっとも面白くないような気がするんだけれど・・」
▼「えっ、オレ、ようやく興味、わいてきたのに・・。
氷河期に、素数ゼミの先祖たちは、どうやって、この時代を
乗り切ったのか・・・、それっ、どうなったんですか・・?」
「うーん。じゃあ簡単に、要点だけ話すことにしよう・・。
キツネくん、それでいいかね・・」
「ナラトさんの、簡単に・・とか、要点だけって、
信用でけへんのですけど・・。
まあ、オレとしては、素数の周期で大発生する謎を
くしゃみが途中で止まったみたいな感じで、そのまま
放っておかれるより、一定の回答を得たいと思いますが・・・」
▼「当然の意見だと思うよ・・。
では、『本』の絵に、ちょっと説明書きを加えるような感じで
説明してみようと思う・・・、 それでいい?」
「ええ、結構です」
「じゃあ、とりあえず、別ページで、アルバム『
素数ゼミの謎』を
開いておこう・・、そう、これか、上の『
素数ゼミの謎』をクリックして・・」
▼「キツネくん。
動物でも、植物でも、生命活動と気温は、とても密接な関係がある。
多くの動植物は気温が上昇してくると、生命活動が活発になる。
しかし、自分がどんな温度帯で生きていくか、これは長い歴史の中で、
生き残りをかけた生存戦略によって、他の仲間と棲み分けるために
自分に適した温度帯を利用している。
さて、セミの場合でも
土中の樹木の根から、栄養分を吸収するので、樹木がよく根をはって繁茂し、
すくすく育ってくれるほうがいい訳だが、問題の「氷河時代」は地球上の
平均気温は、5度近く下がってしまうんだ。
「えっ、たったの5度ですか? 『氷河期』って、ずっと氷でとざされて
いたんじゃないんですか?」
▼「いや、そうじゃなくて、もちろん、氷河が押し寄せてくる地域もあるが、
地球全体としての『平均気温の差』は5度程度なんだ」
「いま、日本近海の海水温の上昇が問題になっているけど、海洋全体の温度が
1度上昇するってことは、大変なことなんだ。
お風呂の湯を1度あげるのに、浴槽がもし1トンだとすれば、昔風にゆうと
1000キロカロリーの熱量が必要だが、もし、地球の海全体の温度を1度
あげるとなると、・・・、うーむ・・・、まあ、途方もない熱が必要になっ
てくる・・」
▼「あははは・・、ナラトさん。
具体的な数字がなくても、膨大な熱が必要なこと、オレでもわかります・・」
「うっふん。 そこで『氷河時代』、成長が遅れ、生き抜くことが困難になった
動植物は、子孫を残すことなく死滅していった・・・。
ある動植物が死滅すれば、食物連鎖なんかもあるから、他の動物にも
影響が出てくる・・。 先祖のセミの仲間も、あるものは絶滅しただろう・・」
▼「だが、『レフュージア』と言って、砂漠の中のオアシスみたいに
氷河期に、比較的温暖で、以前の環境を保持したままの地域もあった。
『レフュージア』のおかげで、絶滅をまぬがれ、生き残った生き物、
つまり、幸運な動植物もいたわけだ・・。
いつの世にも、『運』ちゅうものはあるもんだ・・、
そうは思わないかね・・・、キツネくん!」
「『うん』と返事をすればいいんですか・・?
ナラトさん、どんどん、偉そうになってませんか・・・?」
▼「それはともかく・・・、セミのことなんだけど、
この『本』には、はっきり書いてないけど、セミが1年サイクルで
生活せずに、幼虫で土の中に数年もぐっているということが、そもそも
通常の動植物と比べ、変わっていると思わないかね・・・」
「ほんま、ナラトさん、偉そうな感じやなー・・」
「あっ。ごめん、ごめん。
バカほど教えたがる見本だナー・・、ついつい、地が出てしまうんだ。
自戒、自戒!!」
▼「セミは、あの面構えを見てもわかるとおり、氷河期の樹木の根の
乏しい栄養分をわずかにすすりながら、じっと堪えて、成長を
待っていたのじゃないかナー。
本来は、1年で卵から成虫になって、交尾し、その年のうちに
死んでいく、他の虫たちと同じ暮らしをしていたのじゃなかろうか・・。
ボクは勝手に、そう想像してしまんうだけど・・・」
「ええっ、ちょっと待ってください。
それ、ナラト説ですか・・、勝手な空想はやめてください・・」
▼「いや、根拠はないことも、ないんだ・・。
氷河時代をどう過ごしたか、その方法は、その種によって
いろいろあったと思われる・・・。
セミ以外にも、幼虫期間が数年という虫は珍しくない。
でも、セミのその期間は、他の昆虫と比べても長そうだ・・・。
そういう虫たちは、氷河期に、成虫になるのに、今まで以上の年月を
要して、じっと辛抱して、自分が大きくなり、成虫になった。
そういう生き延び方が、セミや、その他、幼虫期間の長い虫にとっては、
性分にあっているというか、最も適した方法だったのではないだろうか・・」
▼「一方で、多くの動植物は、仮に寿命が100年あったとして、
長じて大人になれば、毎年毎年、自分に適した季節になれば、受粉し、交尾し、
子孫を残すように努力しているじゃないか。
それなのに、別のある種の植物は、何年かに一遍しか、花を付けず、
実もならぬという、そんな種類もあるじゃないか・・。
これは、一体どうしたことだろう。
これも、何かの戦略なのだろうか?」
▼「えーと、ところで、動物で、成虫や大人になって、
2年に1回とか、3年に1回とか、毎年でなく、隔年で
交尾するヤツって、いたかナー・・???
キツネくん、知らない?」
「オレ、そんなの知りませんよ。そんなのいるんですか・・。
また変なこと、ナラトさん考えていんるんですね・・!?」
「いやー、もし、そんなのがいたら、それも戦略で、それらの戦略が
氷河期の生き延び方と関係があるかもしれない・・・」
「オレ、思うけど
まあ、マイミクさんで、そんなこと、よくご存じの方が
おられるかも知れない、とは思いますけど、
まず、一笑に付されると思いますよ!」
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