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2014年08月19日23:37

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【映画】 「ゴジラVSデストロイア」 (1995、東宝)

暑い1日。お盆休みも今日までで明日から仕事だが、日中はちょっと買物に出て、夜は自宅で未見のままとなっていた「ゴジラ」映画の最後の1本、「ゴジラVSデストロイア」を観た。約20年前の作品で今さらだが、これで第1作から第22作まで、ようやく一通り観たことになる。

製作 田中友幸、音楽 伊福部昭、の組み合わせもこれが最後である。伊福部昭は前回は音楽を断ったが、今回は内容からして断り切れず、再び伊福部音楽が帰ってきた訳だが、結局これが「ゴジラ」シリーズのみならず、伊福部の最後の映画音楽となった。

ストーリーは1954年の「ゴジラ」第1作につながる話で、「ゴジラ死す」と書かれたこの映画が、第1作から続いた「ゴジラ」の区切りなのである。


バース島上空を飛ぶ三枝(小高恵美)を乗せたヘリ。バース島が消滅しているのを発見する。ここにいたはずのゴジラとリトルゴジラの行方が分からない。と、ゴジラは香港に現れた。しかし、背ビレや腹が赤い。今までのゴジラとは様子が違うようだ。

1954年の「ゴジラ」のタイトル文字が現れ、オキシジェンデストロイヤーの映像が現れて「ゴジラVSデストロイア」に変化する。第1作とのつながりがタイトルにも示されている。

さて、Gサミットでは、「赤ゴジラ」の原因を議論している。これに関して興味深い論文を日本の大学生が書いたという。いわく、「ゴジラの体内構造に関する私的考察」。山根健吉(林泰文)という大学生が書いたものだ。(記録媒体がMOなのが時代を感じる。)

山根? そう、あの山根恭平の孫なのである。大戸島で家と家族を失い、山根家の養子となった新吉(そうだったんだ)の子である。姉はチャラチャラした(?)TVキャスター山根ゆかり(石野陽子)だ。

G対策センター長官の国友(篠田三郎)はその健吉に会いにいく。部屋には祖父山根恭平(志村喬)の写真がある。おお、さっそく40年前との接点が!

健吉は、趣味としてゴジラを研究している。大学の卒論にも書いたが、不真面目だと却下され留年した。(しかし、決して不真面目ではなく、頭脳明晰であることが分かる)

国友は「なんでウチに知らせずにネットで発表したのか」と言うが、「G対策センターに真っ先に論文を送ったけど無視された」とのこと。まあ、ありがちだな。そんなことはなかったことにして(?)、「協力してもらえるだろうか」と虫のいい依頼をする国友。健吉は最初は断るが、三枝がチームにいると知るや、即承諾した。(分かるなあ(笑))

TVではミクロオキシゲンとやらを研究している伊集院博士(辰巳琢郎)が出演している。「酸素をあらゆる角度から研究し」とか、40年前の芹沢と同じ台詞が入る。しかし、キャスターゆかりの「科学者独特の楽観的な意見」とのコメントに、ちょっとムッとした顔だ。いつの世も、科学者とマスコミは仲が悪い(?)。

それを見ていたのは山根恵美子。40年前に芹沢博士からオキシジェンデストロイヤーの実験を見せられた、あの恵美子だ。演じるのは河内桃子さん。そう、40年後の山根恵美子と同じ河内桃子さんが演じている。これはリアリティのある配役設定だ。(山根姓を名乗っていることから察せられるように、結局尾形とは結婚せず、独身を通してひっそりと暮らしていたという。)

不安が頭をよぎり、ゆかりを呼び出す恵美子。「芹沢博士が40年前に作られたものと近いもののような気がする」という。芹沢博士(平田昭彦)がオキシジェンデストロイヤーを手に海に潜るシーンがここで登場。40年前の「ゴジラ」と絡みながら話は展開していく。

ゆかりは、伊集院博士を訪ねる。「確かに、ミクロオキシゲンの先に、“それ”があることは予想しています」と言う伊集院博士。伊集院博士が“それ”を作ろうとしているのかと、やや疑いを向けるゆかりだが、「科学者が楽観的だというのなら、君たちマスコミは感傷的で独断的だ」と返す。

さて、伊集院博士は、かつてゴジラが沈んだ場所である海底トンネル工事現場から土を持ち帰る。オキシジェンデストロイヤーによって無酸素状態になった土だ。地球に酸素がなかった頃の生物の謎を解く鍵が見つかるかもしれないということである。その土から生物反応らしきものが見つかる。

一方ゴジラは、香港から今度は台湾沖に出現。海水温度は60度から70度にも達し、ゴジラ体内が異常な高温のようだ。

健吉は、ゴジラの体内にある炉心が暴走するか核爆発を起こす恐れがあるという。そんな状態のゴジラを攻撃すれば大変なことになることは明らかだ。物理的に倒せないなら化学的に倒すしかない。「オキシジェンデストロイヤーを使えばいい」とさらりという健吉。

ゆかりと健吉は、伊集院博士を訪れ、「オキシジェンデストロイヤーを作って下さい」と頼む。もちろん「はい」とは言えない。芹沢博士がすべてを封印した以上、作る技術もないし、それ以前に伊集院自身がオキシジェンデストロイヤーの恐ろしさに気付いた。「海底だからよかったが、大気中で使われたら地球が滅ぶかもしれない。」

そんな中、得体のしれない生物が出現する。25億年前の甲殻類が、オキシジェンデストロイヤーによる無酸素状態に触れて復活し、大気に触れて異常進化したという。怖いね。

小さな微生物ながら、水族館の魚を一瞬にして白骨化する。ミクロオキシゲンによる破壊力だ。次は人間大に成長して、臨海副都心のビルを襲う。しかも複数いるようだ。

しかし、ミクロオキシゲンは摂氏マイナス183度で無力化できることが分かる。

一方、ゴジラは豊後水道にまで到達し、どうやら原発を狙っているようだ。火器は使えないので、ここで自衛隊の新兵器「スーパーXIII」が登場する。原発事故に備えてカドミウム弾を有し、火器は使わずすべて冷凍弾だ。(スーパーXIIIはスーパーXに比べると、いくぶんかっこよくなった。) 

スーパーXIIIの出撃音楽は新しい音楽かな? カドミウム弾、超低温レーザーなどを撃ち込み、ゴジラの動きを止めて海に沈めることに成功した。しかし、効果は6時間しかもたないという。6時間たてば復活する可能性がある訳だ。「このまま、海の底で動かないでいてくれたら」という国友長官の気持ちも分かるが、ゴジラは6時間後に復活し、さらに東に移動する。

御前崎沖にゴジラが出現する。赤くなったゴジラではなく、リトルゴジラの成長したゴジラだ。リトルゴジラが、天然ウランの影響を受け成長した姿であった。「生きていた」と安堵する三枝と、その後輩の小沢芽留(大沢さやか)。「もはやリトルではない。立派なゴジラだ。いやゴジラジュニアというべきか」という麻生司令官(中尾彬)。バース島を失ったゴジラジュニアは、故郷のアドノア島へ帰ろうとしていたのだった。ゴジラもジュニアを追っていると思える。それならば、2頭ともアドノア島へ行ってしまえば日本は安全だと考えるが、そう都合よくはいかない。

ゴジラは核爆発の危機は一時免れたが、今度は体内炉心温度が1200度に達たしらメルトダウンするという。こうなれば、地球全体が大変なことになる。あと1週間もたないかもしれないという。これではベーリング海まで持たない。

再び謎の生物が現れる。複数いたのが合体して巨大な1匹の生物になる。「もはやこの破壊力はミクロオキシゲンではない。オキシジェンデストロイヤだ。全てを破壊するデストロイアだ」と、ここでこの生物が命名される。

これに健吉が反応する。「オキシジェンデストロイヤーならゴジラを倒せるではないか」という。
ジュニアを囮にして、東京臨海地区に呼び寄せることにする。三枝は反対するが(ゴジラ好きだからね)、後輩の芽留は賛成する。芽留は「あなたが行かないなら、私し一人のパワーでもジュニアの方向を変えてみせる」と言う。結局は2人で行くことになるが。

メーサー車も出動だ。今回は冷凍メーサー車だ。もちろん伊福部の「あの音楽」に乗せて。

ジュニアとデストロイアが対決し、ジュニアは倒される。次はゴジラとデストロイアの戦いだが、ゴジラのパワーはすさまじく、「もはや奴にはオキシジェンデストロイヤも通用しないのか」と。しかし、デストロイヤは炎の中からさらに巨大化して復活。これが成長した姿だ。再びスーパーXIIIの出動だ。

デストロイアは起き上がったジュニアを空中に持ち上げ、叩き落とす。これにてジュニアは絶命。泣く未希、そしてゴジラ。再び戦うゴジラ。ここはややテンポを落とした伊福部の「ゴジラのテーマ」が流れる。デストロイアを倒したと思ったら、今度はデストロイアは元の複数の人間大の生物に戻る。そんなのアリか。そうなれば、ゴジラは1匹ずつ片付ければ良いが、全滅したと思ったデストロイアが再び現れたり、このあたりの展開はよく分からない。

最後は、デストロイヤは自衛隊により倒され、ゴジラは大量の放射能を撒き散らしながらメルトダウンしていくのである。溶けていくゴジラはちょっと不気味だ。

「ゴジラが東京を死の町にして溶けていく」とつぶやく伊集院。「これが私たちの償いなの」と言うゆかり。「私の役目は終わった」と言う未希。それぞれの思いがあるようだ。(本当に小高恵美ちゃん、このあと引退しちゃいましたね。)

放射能のレベルが急激に落ちていき、ゴジラの放った放射能を吸収してジュニアゴジラが復活する。と言う訳で、次世代ゴジラに続く訳だ。

過去の「ゴジラ」映像とともに、伊福部の「SF交響ファンタジー」を改編した音楽でエンドロール。ゴジラシリーズの一つの区切りがついた。


このあと、「ゴジラ」はいわゆる「ミレニアム・シリーズ」が続く訳だが、ここまでのゴジラとは全く別物のような気がして、いまだに観ていない。ましてや、米国版「Godzilla」は観る気が起きない。どなたか観た人がいて、「面白いから観ろよ」という方がいれば...
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