■「待たれざる人」

●2014年07月20日(日)　　曇り

　▼きょうは日曜日。
　　毎日が「日曜日」であっても、
　　「日曜日」と聞くと何か浮き立つものがある。

　　ほぼ一週間おきに、三宮に出かけている。
　　外に出ると、気分が変わる。

　　学生時代は、物寂しさから
　　三宮に出ることもあったが、
　　大勢の人の群れで、より孤独になって
　　下宿に帰ってきた。


　▼でも、いまはちがう。
　　行きかう人を眺めるのが
　　喜びになる。

　　自分に何かを求めていないからだろうか。
　　
　　青空の下、人々が歩いている。
　　ただそれだけのことで、
　　心が解き放たれる。


　▼「でも、アンタ。きょうは、やめとった方がいいよ」と
　　妻は言う。

　　理由の一つは、日差しが厳しいし、こんな日、出かけたら
　　睡眠不足の体はひとたまりもないだろうと、妻は思った。

　　遅番の妻が出かける１２時半ごろ、たしかに、カンカン照りの
　　日差しだった。
　　しかし、これは、そのあと雷が鳴ったりして
　　わからぬ天気になった。


　▼もう一つの理由は、きのうの新聞で報じられた「リコー、出向・配転命令
　　取り消し」というニュースと関係していた。

　　　　「今回の裁判では、希望退職に応じなかった人に対する「退職勧奨マ
　　　　　ニュアル」があったことも明らかになっている。
　　　　　「今後あなたにやっていただく仕事はなくなります」「次の仕事を
　　　　　やってみて、『続けることは難しい』と退職するときは、自己都合
　　　　　になります。退職に際し加算金はありません」。
　　　　　対象者が退職を拒んでも、事務的に対応するよう求めている。」

　　２０００年春に「コープこうべ」で起きたことと、まったく同じだった。


　▼この「コープこうべ・希望退職」事件についてまとめた私たちの「本」と、
　　そのほか、『平生釟三郎自伝』や賀川豊彦に言及されている「本」など、
　　数冊を賀川記念館に寄贈しようと、もう一か月以上も前に、記念館に
　　預けていた。

　　「本音で言うたら、アンタの寄贈なんか、ありがた迷惑に思うとるはずよ」
　　と妻はいう。


　　預けた「本」は、前々回に行ったとき「行方不明」になっていたが、
　　前回、「どこかにあるはずだから・・・」と探してもらったら、それは
　　あった。

　　きょう行ったら、私はもうそれらの「本」は引き取ってこようと思っている。


　▼しかし、雷鳴がとどろき、きょうは賀川記念館に行くのはやめにした。

　　私が来るのを待っているわけではないのだから。




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