mixiユーザー(id:1040600)

2014年05月20日22:23

87 view

■「淡路農歌」(二)

●2014年05月20日 (火)  夜半、雷鳴・風雨激し

 ▼国立国会図書館蔵の、河本正義(編)『淡路農歌』を見ると、23コマ目の画像から
  文政八年(1825年)に藤井彰民(著)『淡路草』の抜き書きがある。
  
フォト

   ※国立国会図書館蔵『淡路農歌』を開き、コマ番号「23」を指定する。

 ▼画像を拡大して、左クリックで画像を動かすと、「うた」が読める。
  「安澄」とあるのは、寛政(1789-1800)のころ、淡路の民謡719章を蒐集し
  『国風謳歌篇』として刊行した「平野安澄」のことである。
  彼は、淡路・洲本の商人で、通称を松屋井之助といい、『淡路曆覧』『淡島故事』ほか
  多数の著書があるという。(21コマ目を参照)

  彼の編纂した『国風謳歌篇』には、719章の「うた(民謡)」が蒐集されており、
  平野安澄はこれから140章近くを『淡路草』に引用した。

  それが、ここに抜き書きとして写されているのである。

 ▼「♪ よいぞよそうよいやならよそう わごりょもおれもいやでそよ」から
  「♪ 朝日さす夕日輝く木の下に こがね千両あり明けの月」まで。
  巻末には3ページにわたって、「初句索引」も付されている。(30コマ目を参照)

  そして、22コマ目には、『山家鳥虫歌』に蒐集された同類歌を例示している。

   淡路農歌   花の絵島は唐見てあらば たぐり上がろもの皆宿へ 
   山家鳥虫歌  花の絵島はからみがあれば 手繰寄しょものみのはらへ (讃岐)

   淡路農歌   鮎は瀬にすむ鳥や木にとまる 人は情けの影に住む
   山家鳥虫歌  鮎は瀬につく鳥は木にとまる 人は情けの下に住む (越中)
 
   淡路農歌   山椒胡椒より辛いものがござる ならぬ世帯が辛ふござる
   山家鳥虫歌  山椒胡椒より辛いもの 世帯ならぬ世帯が尚からい (尾張)


 ▼「♪ 志知のお城は夜半に落ちる 栗原山に陣ひらき」
  これは、志知の松本城と社家村の栗原城を、豊臣秀吉に落とされた事を歌っているらしい。

  「♪ 栗がはじけて長田へ飛んで 戻りにゃ土井の椚田(くにぎた)よ」
  「♪ 姉は生穂(なまりほ)十八土器(かわらげ) 妹は郡家(むんげ)二十土器(かわらげ)」
  「♪ 委文(しどり)通れば長田も恋し 殊に長田は水処」

  このような地名入りの、そして歴史的事実を背景にした素朴な感じが、なんともいい。
  現在、「生穂」は「いくほ」、「委文(しどり)」は「倭文(しとおり)」と呼んでいる。


  「♪ 物を知らずば歌聞いてさとれ、歌は世界の理を分ける」
  「♪ 三十過ぎての親御の異見、彼岸過ぎての麦の肥」
  「♪ せまい心や柳の葉程、心広うもて芭蕉葉ほど」
  「♪ 人は悪ふない世はとに角、破れ車でわがわるい」


  人生訓みたいのがあれば、

  「♪ 夫婦喧嘩と夜北の風は、宵に吹いても夜半になぐ」
  「♪ 船に乗るとも高帆を引くな、風に情けのないほどに」
  「♪ 何としたやらわしゃこの頃は、生(なま)木の筏(いかだ)木が浮かぬ」
  「♪ いつもあれかよ湊(みなと)の叶堂(かなど)、十九を連れて夜籠(こも)りに」


  そして、「♪ 後世願ひやれ浮き世も思え、身は朝顔の花の露」


 ▼だんじり歌は知っていたが、淡路にこんな「歌」があったとは、まったくもって
  知らなかった。

  


   ★★★  ★★★  ★★★  ★★★  ★★★

 ▼「音楽掲示板」案内 ―――― 2014/05/20
  ―― " Music is Love in search of a word. " ――――――――――― 
  ムード音楽掲示板
  ムードきょうの一曲! 次項有(試聴) ←5/20「 正調デカンショ節 」
  ムードきょうの一曲!号外
  ムードもっと音楽を!
  ムード「BGMチャンネル」 1/2/3/4/5/6/7
  ――――――――――――――――――――――――――――――――
  ■yahoo案内
   「ホームページ」「naratoブログ」「楢門二樹ブログ」「音楽掲示板」「詩人インデクス
  ――――――――――――――――――――――――――――――――



 

   

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する