●2014年05月19日 (月) 晴れ
▼浅野建二(著)『日本の民謡』を何十年か振りに、手にとって、
パラパラ読んでいると、江戸期の元和・寛永から幕末ごろの
「近世民謡」として、『
山家鳥虫歌』から次のような歌を紹介している。
♪ わしは小池の鯉鮒(ふな)なれど、鯰(なまず)男はいやでそろ (山城)
♪ 吉野川には棲(す)むよか鮎が、わしが胸にはこひが住む (大和)
♪ いとし可愛(かわい)子に旅させ親よ、憂いも辛いも旅で知る (摂津)
♪ 今年世の中稲刈りそめて、神と君(きみ)とに重ね餅 (河内)
♪ 嫁を嫁をとゑと譏(そし)りやんな、 譏(そし)るわが子も人の嫁 (和泉)
(上掲書:p.94)
▼そして、次のような記述に遭遇した。
近世後期は戦乱もおさまり、農民も落ち着いて生業にいそしむことができたので、
歌詞の中にも、平和な恋愛を語らい、領主を祝福し、親子の情愛を洒落に歌い
のめしている様子がよくうかがわれるが、一面には、幕府や領主の権力による
圧政と搾取に対する血のよう反抗を歌ったものもある。
そうしたたくましい近世農民のうた声を集録したものとして『淡路農歌』
(国立国会図書館蔵)という写本をあげておきたい。
これは文政八年(1825年)、藤井彰民が『淡路草』(全八巻)を著わす際に、
平野安澄(著)『国風謳歌篇』から、百四十章の民謡を抄録して巻首に配した
もので、中に、
○憂いぞ辛いぞ中島の振り粉(こ)、水は増せども粉は増さぬ。
○由良の湊に唐船造る、柏原(かしはら)山に大鋸(おが)の音。
○磯の蛤(はまぐり)鳴門の若布(わかめ)、阿那賀(あなが)の目張(めばる)鱗なし。
の如き、淡路特有の郷土色豊かなものがあるが、また
○亘り孫之丞の水牢見れば、親重代の田も嫌(いや)よ。
○いとし可愛(かわい)子に庄屋どもさすな、諸奉行の前で土かぶる。
○百姓は鼠じゃ庄屋殿は猫じゃ、百姓めがけて取ろ取ろと。
といったような、代官や庄屋に対する赤裸々な感情を吐露したものもある。
(上掲書:p.95)
▼私は、パラパラ読みをやめ、もう一度、その民謡の一章一章を、目で縦に一行一行、
追いながら読んだ。
※国立国会図書館蔵『
淡路農歌』
・
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1230379
※国立国会図書館蔵
『淡路草』(第四巻)
・
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2561079
※国立国会図書館蔵
『淡路草』(第八巻)
・
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2561083
▼そこには、「由良」とか「阿那賀」とか、私が生まれ、幼いころに育った
「ふるさと」の地名があるではないか。
(つづく)
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