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2014年05月07日13:31

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■「あとから読む<書評>」

●2014年05月07日 (水)　晴れ

　▼きのう、賀川記念館に行って「本」を借りてきた。
　　４冊借りたが、その中の一冊はまえに借りたことのある「本」だ。

　　兵庫県立図書館と、神戸市立中央図書館と、北須磨文化センター図書室、
　　それと賀川記念館を併せると、合計４館で、現在１１冊借りている。

　　県立図書館は同時に、１０冊・３週間まで貸してくれるので、何かのテーマで
　　調べるときは便利である。「正岡子規」について調べるとき、全集の幾巻かを
　　いっぺんに借りられて、便利だった。

　▼しかし、読みたい「本」の場合は、調べるための「本」のように１１冊もあったら
　　返却日までに読めるはずもない。

　　でも、借りてくるのである。返却時に、借りないと損というワケではないが、
　　パラパラ見る「本」も愉しい。

　　そして、何度もくりかえし借りる「本」もある。

　　必要箇所をコピーすれば済む調べる「本」にはない魅力をもった「本」、
　　少しずつ、パラパラでも読みたい「本」である。

　▼松尾尊兊『本倉(ほんぐら)』みすず書房　(1983年刊)は、そんな「本」である。

　　　　

　　　

　▼２０１４年３月２３日の「日記」に、

　　　　「本」を借りるときはいいが、返すときが億劫だと書いたが、
　　　　この「本」を記念館で偶然見つけ、「目次」と、「本倉の記」と
　　　　「あとがき」、そして「初出一覧」を見たとき、私は来た甲斐が
　　　　あったと思った。

　　　　そう思った理由については、また「日記」に書くことになるだろう
　　　　と思う。

　　と書いた「本」である。

　　私は、この「本」に出会うまで、「松尾尊兊(まつお・たかよし)」の名前を知ら
　　なかったし、名前の読み方も分からなかった。

　▼この「本」で、私は「大正時代」に出会い、「石橋湛山」にあった。
　　「大正時代」と「石橋湛山」が、なぜ目からウロコだったのか、それは
　　折を見て書きたい。

　　この「本」をまた借りた理由は、本書の第３章・第４章にある、１０４冊の<書評>に
　　ある。分量として２５３ページ。全４７６ページの実に半分は、<書評>なのである。
　　ほとんどは、私の未読の、そして「書名」も知らない書物への批評である。

　　が、中には、かつて私が読んだ「本」もあり、疾うに忘れてしまった「本」もある。
　　読み返すことで、なぜ、その「本」を買ったのか、思い出す「本」もある。

　▼『聞書　ひたむきの女たち　　無産運動のかげに』牧瀬菊江(朝日新聞社、1976)
　　の<書評>は、こう書き出されている。

　　　　戦前の治安維持法は、共産党に加入すること、あるいは援助を与えることを
　　　　「内乱」と同一視した。

　　　　共産主義者は国賊であり、殺してもかまわぬという風潮がつくり出された。
　　　　いうにしのびない無残なテロが各地の警察署でくりひろげられた。
　　　　生命を絶たれたもの、自ら絶ったものは男性に限らなかった。

　　　　本書は辛うじて生き残った十人の女性の、生命をかけた運動体験の記録である。

　　　　本書の中には、日本最初のメーデーで検挙された橋浦はる子や、第一回国際
　　　　婦人デーで演説した矢部(島野)初子など、その時点では新聞に大きく報ぜられた
　　　　人物もあれば、沖縄の教育労働者組合に関係した志多伯静子、朝鮮人労働者と
　　　　結婚した立花ユキエ、もっぱら非合法運動家の救援につくした井上里雨など、
　　　　まったく無名の人もいる。（後略）

　　　

　　　　

　▼そのほかにも、『出口なお』安丸良夫、『日本近代史』西岡・鹿野共編、
　　『岩倉使節団　明治維新のなかの米欧』田中彰、『緊急順不同』中野重治などの
　　<書評>を読むと、忘れかかった、これらの「本」に出会ったときのことを
　　思い出す。

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　▼「音楽掲示板」案内 ――――　2014/05/07
　　――　" Music is Love in search of a word. "　―――――――――――　
　　