階段下の小さな三角空間を
俺のトゲトゲの隙間へはめ込み
工房の神経質な照明を追いやる
冷たいペットボトルを掴んであごを上げ
ギザギザの明暗に抽象絵画を刻みながら
あぶくの弾ける様をながめる
硬直した気体を濁ったお茶で押し出せば
あやふやな不健康が欲しくなる
薄っぺらな紙を小さな箱から引き出し
ちぢれた葉っぱを行儀よく並ばせる
フィルターを押しつけて矯正してみるが
結局不格好なす巻きになって
とりあえずの形に舐めあげる
氾濫分子がにがい
つまみ切ってパラパラと舞う葉はゴミ箱へ
固く規制されたライターに力を入れ
煙草の端をゆらぐ炎に近づける
ちぢこまっていく葉が火の粉を爆ぜさせ
俺の脚に死のダイブ
無様な煙草からしぼられた煙が肺へ
混沌の無意味が意味を創り出すように
血が分け前をもらって突端まで運ぶ
棄てる煙がまぼろしとなって
薄暗い抽象絵画を塗りつぶす
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