mixiユーザー(id:60260068)

2014年01月15日13:50

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『鵲−kasasagi−』



歩道に高くならんだ縁石を

君はたわむれの平均台にして

スカートの黒にうつろう時をはらませ

僕の前で軽やかに羽ばたいていた



足元の升目はひややかに過ぎゆき

張りつめた視線はねじれてすれ違った


君がこしらえた手編みのセーターは

僕には大きすぎたようだ



深く澄んだ瞳の横顔は

散り急ぐ木の葉をうつし

いずれ途切れてしまう縁石の上で

交差点までのあいだ



目を上げた後ろ姿に

木枯らしが優しくわた雪をのせ

カチカチと音をたてながら

わずかな晴れ間に白い毛糸をほどいた


足跡も空の色も残像にして





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