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2013年12月05日06:59

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■替え歌・考(2)

●2013年12月05日(木)

 ▼ 2007年(平成19年)、『冬の星座』は、「日本の歌百選」の1曲に選ばれている。
  「日本の歌百選」について、ウィキペディアではこう説明している。


    日本の歌百選(にほんのうたひゃくせん)は、2006年(平成18年)に
    日本の文化庁と日本PTA全国協議会が、親子で長く歌い継いでほしい童謡・唱歌や
    歌謡曲といった抒情歌や愛唱歌の歌101曲を選定したもの。

    一般から募った895曲から選考委員会が選出し、2006年12月15日に最終的に決定した。

    発表は2007年1月14日に新国立劇場で行われ、これらを歌うコンサートも合わせて
    開催された。

    応募条件は「日本語の歌詞」の歌であったため、元々は日本国外で作られたが
    日本で日本語の訳詞によって親しまれる歌も数曲が含まれる。

    また、「百選」という名称ではあるが、選考の結果絞り切れなかったため、101曲が
    選定されている。

    参照 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%AD%8C%E7%99%BE%E9%81%B8



 
 ▼「元々は日本国外で作られたが、日本で日本語の『訳詞』によって親しまれる
  歌も数曲が含まれる」としているが、これは厳密にいえば誤っている。

  おそらく、ウィキペディアの執筆者は「意訳」「翻訳」など、原詞を日本語に
  置き換えたものすべてを、簡単に「訳詞」と呼称しているのであろう。

  堀内敬三がやったのは、あらたな「作詞」、つまり「創詞」である。
  元歌との関係を強いて言えば、それは身を翻(ひるがえ)し、換骨奪胎して、
  「翻詞」したのである。



 ▼これは、堀内敬三より40年ほど前に、『Mollie Darling』に歌詞を付与した
  中村秋香(1841 - 1910)も同じである。彼の付与した「歌詞」は次のよう
  なものだ。

      「他郷の月」

    1. よくと悦ぶ 父母の君
      あれ姉上と かけ来る妹
      こひしや我が家に うれしや今
      かへると見しは 夢なりけり

    2. 宵のしぐれは あとなく晴れて
      傾く月に 雁なき渡る
      あはれあの雁も またわがごと
      わかれや来つる その故郷(ふるさと)

  「原詞」とは、全く異にする「翻詞」(「創詞」)である。


 ▼だが、中村秋香の「翻詞」に、もし堀内敬三が満足していれば、
  スケール雄大で、格調高い、名詩・『冬の星座』の歌詞は誕生
  しなかったかもしれない。


      「冬の星座」

    1. 木枯しとだえて さゆる空より
      地上に振りしく  奇(くす)しき光よ
      ものみないこえる  しじまの中に
      きらめき揺れつつ  星座はめぐる

    2. ほのぼの明かりて  流るる銀河 
      オリオン舞い立ち  スバルはむさざめく
      無窮(むきゅう)を指さす  北斗の針と
      きらめき揺れつつ  星座はめぐる



 ▼では、中村秋香と堀内敬三の二人に、ともに「歌詞」を
  換骨奪胎され、「翻詞」されてしまった『Mollie Darling』とは、
  どんな歌だったのだろうか。

   


  中村秋香と堀内敬三が聴いた当時は、こんな「甘口」ではなく
  まだ、1870年代の「土や草の匂い」のするカントリー・
  テイストたったかもしれない。

  そして、二人はその「歌」を聴いて、無視するのではなく、
  その「歌」に歌詞を付けようと、思う何かを感じたはずだ。
  でなければ、『他郷の月』も『冬の星座』も生まれなかった。

  二人は何を感じたか?
  荒っぽく言えば、中村秋香は「他郷の月」という歌を、
  堀内敬三は「冬の星座」という歌を、『Mollie Darling』に
  聴いたのである。


 ▼ところで、『明日がない』を作詞したのは、つい2、3日前、
  マイミクになったもらった「ウハメラ」さんである。

  「ウハメラ」さんは、作詞だけでなく、作曲もする。
  「YuoTube」を、登録名「うめはらなかせ」で検索すると、かなり
  たくさんの彼の「作品」がひっかかってくる。

  そのひとつ、ひとつに『明日がない』で感じたと同じ「質」の
  輝きを感じ、感動した。

  私が「ウハメラ作品」に接近し、実際にいろいろの作品にまで
  関心をむけるようになった経緯は、12月3日の「日替わり・
  プロフィール」のコメント欄の書き込みのとおりである。

  私は、『訪問看護』や『キジュン』という作品を知った。





 ▼「日記」の文字制限のため、以下、「替え歌・考(3)」に続く。


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