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2013年10月21日21:50

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■黒豆

●2013年10月21日 (月)  晴れ

 ▼妻は去年も出かけた『丹波の黒豆ツアー』に行って来て、
  「もう、めっちゃ暑かったわ」と言いながら、夕方帰ってきた。

  友人のグループがバスをチャーターして、毎年恒例で
  今頃の時期に、篠山まで「黒豆」を取りに行く。
  それのお誘いがあって、去年あたりから妻も行くようになった。

 ▼「黒豆」と言っても、乾燥した「黒豆」でなく、
  枝豆にして食べる「黒豆」である。

  「枝豆」も「黒豆」も、たしか「大豆」の一品種であって、
  私の幼いころには、田んぼの畔(あぜ)に植えていた。

  豆が完熟してサヤの水分が飛んでから「大豆」は収穫するが、
  「枝豆」は、葉がまだ青々と生い茂っているころに刈り取る。

  それをゆでて、食するようになったのが「枝豆」、つまり
  「青刈り大豆」である。


 ▼この「丹波の黒豆」も同様で、まだ緑の葉のあるとき、
  しかも、実がたっぶり水分をたくわえた状態で収穫し、
  「枝豆」と同じようにして食する。

  普通の「枝豆」と「丹波の黒豆」を比べると、実は2倍近く大粒で、
  そして丸い。

  去年は、畑から引き抜いた、根も葉も、そして実も、全部ついた
  「土つき」の黒豆を、持って帰ってきた。
  両腕で抱えるようにして、玄関を入ってきた。

  今年は、枝から実の入ったサヤの部分だけをもぎ取って、
  買い物用の白いポリ袋に入れて、持って帰った。


 ▼「ほらっ、見て! 仰山あるでしょう。軍手借りて、千切って
   きたけど、ワタシが一番手早くもぎとって、ほらっ、こんなに
   いっぱいあるでしょ!」

  なるほど、袋はパンパンにはじけるほどで、ずっしり重い。
  袋を開けて中に手を入れると、豆が呼吸しているのか、生暖かく、
  しっとりとしていた。

  「もう、一気にやってしまわないと、あとではヤル気がなくなるから・・」

  そう言うと、妻は服も着かえず、鍋にたっぷり水を張り、黒豆は塩もみして
  ゆがく用意をした。

  全部ゆがき終わったら、今度は冷やして、冷凍にするそうだ。


 ▼あれは、夏のころか、宮崎で「店」をやっているとき、小学生の私は、
  「枝豆切り」をやらされた。

  枝から垂れたサヤをひとつづつ、ハサミで切っていく。

  このとき、サヤの付け根のツルの所で切らずに、ほんの少し
  サヤの先っちょも一緒に切り落とす。

  そうすると、ゆがき水に入れた塩が、その切り口から浸透し、
  ほどよい塩味が、中の実にもつく。


 ▼枝豆のサヤの先が、わずかに切り落とされた「枝豆」なんか、
  もう居酒屋では出てこない。

  サヤをそのままゆがいた、冷凍品だからだ。

  ちらっと、そんことを思ったが、ハサミでひとつひとつ
  先っちょを切っていくなんて、こんなに大量なので大変だ。


 ▼ゆでて仕上がった「黒豆の枝豆」は、やはり塩がたりない。

  妻が「どう、塩味うすくない・・」と聞く。

  「うぅ〜ん」と生返事していると、自分でも薄いと感じたの
  だろう、皿に盛った黒豆に粗塩をパラパラっと振りかけた。

  「まあ、結構いけてるんじゃないか。それにしても実が大きい!」
  「そうでしょう、今年の実はよく太ってるって農家の人も言ってた」


 ▼残りの黒豆もゆでるようで、妻は台所に行った。

  氷の入ったグラスを揺らし、ウイスキーの当てに
  黒豆をつまむ。

  昼は暑かったが、日が落ちると、ひんやりとした
  冷気が、窓から入ってくる。

  秋の深まりを感じながら、太った黒豆を食した。

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