●ニセ管理人日記（08）/■ひみつの夜 （2）

■ひみつの夜 （2）

　●もし、もし
　　きつねくまぞうです。

　　ナラトさんと　いっしょに
　　テレビ見てました。
　　「釣りバカ日誌５」というやつです。

　　乙羽信子さんが浜チャンの母親役で
　　宮崎から上京してくる話です。

　　ナラトさんも奥さんも
　　宮崎出身やから
　　乙羽さんの宮崎弁
　　懐かしそうに聞いてました。



　●さて、オレの話のつづきやけど
　　マコトの家のお父さんが
　　すきなお酒をやめな　ならんようになる
　　話です。






　●「ひみつの夜」（つづき）

　　ある金曜日の夜のことです。
　　その夜　マコトは、いつものように
　　ふとんにはいっていて、お母さんといっしょに
　　童話を読んでいたのですが、だんだん　ねむくなってきて、
　　うとうと　しだしました。

　　すると　とつぜん、
　　げんかんのほうで、ガタリと大きな物音がしたのです。

　　マコトはびっくりして、目をあけました。
　　
　　「なんでもないわよ。
　　　うちの大トラが　かえってきたのよ」

　　お母さんは　へいきな顔でそういうと、
　　童話を読みつづけました。

　　
　　ドタリ、ガタリという物音は、しばらく　げんかんのほうで
　　つづいていましたが、やがて　となりのへやで、
　　ドシーンと　なにか大きなものが　たおれるような音が
　　しました。

　　「しょうがないわねえ。
　　　だから　よっぱらいって　きらいなのよ。
　　　しずかにしないと、また　下の人に文句をいわれるわ」


　　お母さんは　ぶつぶついいながら、
　　本をとじると、ふすまをあけて　となりのへやに
　　でていきました。　そのとたん、

　　「きゃあーっ」

　　という　ものすごい悲鳴がきこえてきました。


　　「どうしたの！？」

　　マコトは　とびおきると、となりのへやにかけこみました。
　　そして、そのとたん、マコトも足がすくんで
　　動けなくなってしまったのです。


　　へやの中には、よっぱらったお父さんが、
　　大の字になって　ねっころがっていました。



　　でも、それは
　　ほんとうに　お父さんなのでしょうか？

　　着ている洋服は、たしかに　朝、会社に出かけたときに
　　お父さんが着ていたものです。

　　でも、ズボンの先からのびている二本の足には、
　　こげちゃ色の毛が　びっしりとはえています。

　　背広の両そでから出ている二本の手にも、
　　やはり　こげちゃ色の毛がはえていて、おまけに　手の先
　　には　するどいつめ。


　　それよりなにより、おどろくべきことには、
　　ワイシャツのえりの上、ほんとうなら
　　少しまるびをおびたお父さんの顔があるはずのところに、
　　まったく　べつのものがあったことです。


　　ピンと立った耳、ニューッとつき出た口、
　　その口からこぼれている　するどいきば。


　　「オ、オオカミ・・・・」


　　マコトは、ぶるっとふるえました。
　　そうです。たたみの上には、お父さんの服を着た
　　オオカミが　ねっころがっていて、グーグーと
　　いびきをかいていたのです。





　　　　　　



　　「びっくりさせるわねえ。もう」

　　お母さんは、ようやく　おちつきをとりもどして、

　　「よっぱらって本物のトラになるなら話がわかるけど、
　　　オオカミになるなんて、まがぬけているじゃないの」

　　そんなことをいいながら、お父さんをゆり動かしましたが、
　　いっこうに　目をさましません。


　　「いいわ。このままほっときましょう。
　　　あしたの朝、目をさまして　びっくりするでしょうよ。
　　　いいきみだわ。
　　　お酒をやめないから、こんなことになるのよ」

　　お母さんは、やけっぱちみたいに　そういうと、マコトを
　　うながして、ふとんにもどりました。



　　それからしばらくして、お母さんは、スースー寝息をたてて
　　ねむってしまいましたが、マコトは、となりのへやが気になって、
　　とても　ねむれそうにありません。

　　マコトはおきあがると、そっとふすまをあけて、となりのへやへ
　　いってみました。

　　すると、お父さんの<オオカミ>は、いつのまにか　おきていて、
　　へやの中をいったりきたりしています。



　　「外へ　出てみないか」

　　マコトを見ると、オオカミはいいました。







　●さて、どうなるのでしょう。

　　あとが気になるのですが、つづきは
　　また、書くことにします、





　　
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