●2013年01月12日(金) 晴れ
▼きょうは職場で、ちょっとした事件があった。
ちょっとした事件であるが、影響は大きかった。
400戸ほどの住宅が夜8時ころから
水が出なくなった。完全に一滴の水も出なくなった。
全戸の水が、再び出るようになったのは、
夜中の2時を回るころだ。
▼水が出なくなったのは、ほんの些細な
ミスが原因だった。
きのう、そこでは年1回の「貯水槽清掃」を行った。
作業が終わって、業者が、市の水道管から貯水槽への
バルブを、もとにもどして「開く」のを忘れたためだ。
水道本管の「元栓」を「開」にするのを「閉」にしてしまった。
▼管理会社には100本を超す電話がかかってきた。
市の公社にも、水道局にも、苦情の電話がかかってきた。
水が止まった夜の8時ごろから、
水が出るようになった後の翌日の
朝の8時か9時ごろまで、ずっと
電話がかかってきた。
全部で何本の電話がかかり、
何人の人が「断水」のことで
怒ったり、謝ったりしたのか、
よくは知らないが、
今朝、出勤すると
そういう「大騒動」があった。
▼こういう「事故」が起きた場合、
大騒ぎする人がいる。
妙に活気づくのだ。
それは、住民に限ったことではない。
上司にも、その上の公社にもいる。
問題を大きくして、騒ぎ立てて
自分の活躍する場所を広げる。
▼しかし、これも慣れっこだから、職場では
誰も文句は言わない。
管理組合・自治会の理事長や会長と、
そして公社の担当と協議し、「謝罪文」を
作成し、それぞれの言う通り字句・文言を
書きなおし、不在住戸用には封筒も用意し、
折りたたんで入れた。
謝罪文を作って、住民にお詫びに行こうとしたら、
なるべく、在宅しているときに伺うべきだ、
という声の大きい人の意見で、
夕方6時を待って、伺うことになった。
私たちは、内心、夕方6時から全戸訪問の終わる
夜の9時ごろの「家庭」を想像した。
「夕食の準備、食事、家族団欒、入浴」
そんな時間帯、チャイムを鳴らして
わざわざ収まった問題を掘り起こしにいく・・。
3チームに分かれ、400軒を戸別訪問し、
お詫びする。
公社から言われたように、市の指定の「ごみ回収袋」も
お詫びの印でもっていく。
業者と管理会社が手分けして
謝罪にいく。
公社は来ない。
▼そんなことに、職場の誰もが
またか、と思うだけで
何の文句もいわなかった。
皆が思ったのは、
「タケちゃんマン」と呼んでいる
当の業者の、作業をした彼のことだった。
みんな、小さな声で
「タケちゃんマン、大丈夫だろうか?」
と心配した。
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