●2012年07月16日(月) 晴れ
▼こんどの豪雨が「激甚災害」の指定を受けた。
きょうは、群馬・館林で37.6度。
「猛暑日」となったのは関東内陸部のほか、
北陸から近畿北部、山陰の日本海側。
一方、南には台風7号。
今朝、このあたりでは、初めてセミの声を
聞いた。例年より遅いようだ。
まだ、雨は降るらしい。梅雨なのか、夏なのか。
『梅ちゃん先生』を見てから寝た私は、
朝かと勘違いしそうな夕方6時の、夏空か秋空か
よくわからない、高い天空の鱗雲を眺める。
▼土曜日、アツシたちが来た。
ショウは家に残り、アキラが運転してきた。
柱にある、消えかかったボールペンの記録では、
6本の横線に「2007.?.??」の日付と「ショウ」の文字。
上と下の線の幅は約8センチ。
その真ん中くらいに、マジックで
線を引き、日付を書き加える。
「ショウとアツシは、六つちがいやから、
お兄ちゃんが中三のときと、同じくらいになってる・・。
アツシが1年、早いやんか!」と言うと、
アツシはにんまりしている。
面長になってきて、背も伸びた。
でも、今もらった「今月の小遣い」を
「はい、オカン」とサイコに渡している姿は、
まだ、まだ幼い。
今が伸び盛りで、1年に10センチくらいも伸びる。
「おい、青年! がんばれ!」と
アツシの肩を叩く。
▼きのうは、大阪まで行く予定だった。
次男が心斎橋近くの「日宝畳屋町会館」で、
「BAR Stache'S」という店を始めて、まる8年が
たつ。
妻の仕事が終わってから、三宮で待ち合わせ、
すぐに向かっても、店に着くのは夜10時を回る。
30分ぐらいで、店を出て、引き返せば
12時の地下鉄の最終に間に合う。
昼過ぎてから、その日、妻から電話があった。
「あっ、あんた、起きてた?」
「うん、起きてた・・。で、どうする? きょう行くの?」
「どうする?」
「タツには行くと言ってないから、お祝い送って、
行くのはやめにしょうか・・?」
「そうね、そうしょうか!」
雨が降るようだったら、大阪行きは中止という
ことにしていたが、雨は降らなかったが、しんどいので、
結局、やめにした。
▼妻は言う。
「まあ、いろいろ経験したわ。
他人が聞いたらびっくりするようなこと・・。
子供の登校拒否とひきこもりは、なかったけれど、
世間でいうようなことは、まあ、経験したわ」
その中には、私が躁になり、鬱になったときのこともある。
私の妹が婚家を飛び出し行方不明になり、ようやく探し当てて
我が家に連れてきたことや、
母が亡くなり、父が都城で倒れ、知らない土地で葬式を出したり、
義母がボケて「どなたか存じませんが、ご親切にしていただき、
ありがとうございます」といったり、
名古屋と神戸と地元・宮崎の3人の娘が入れ替わり、立ち替わり、
手厚く面倒をみた義父が「わしは、原因不明の不治の病にかかった。
もう、野垂れ死にじゃ・・」と言って、亡くなったこと・・。
まだ生きている人間だって、どうなるか・・。
▼妻は言う。
「そんな先のこと、知らんわ。
死んでも、空から見守るなんて・・、
知らん、知らん!」
地震や津波や、風水害や、火山の爆発があっても
おかしくない天気。
原発や国会や、領土問題や世界経済の混迷や、
世情も何があっても、おかしくない。
一軒が被害にあっても、
「激甚災害」の指定はないだろうが、
どこにも似たような問題は、転がっている。
「あんた、食べる?」と妻が聞く。
「食べる、食べる!」と私が答える。
妻は、買ってきたハモを湯引きする。
酢味噌で、氷のグラスの焼酎の当てに食う。
ああ、夏はハモだ、と思う。
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